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2026.3.31 | LPデザイン制作の改善

SaaS系商品におけるLP制作のポイント-事例から学ぶ構成・デザイン・設計のコツ-

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SaaSと一口に言っても、そのビジネスモデルは全業種向けの「ホリゾンタルSaaS(人事・労務・経理など)」から、特定業界の業務支援に特化した「バーティカルSaaS」、そしてスモールビジネス向けからエンタープライズ(大手企業)向けまで多岐にわたります。

それぞれの領域でターゲットが抱える課題や検討プロセスは全く異なり、例えば現場の担当者へのアプローチ(使いやすさ・業務効率化重視)と、決裁者・経営層へのアプローチ(費用対効果・ガバナンス重視)では、求められる情報の質もデザインも大きく異なります。

そのため、画一的な機能の羅列や、ターゲットの解像度が低い訴求では、ユーザーの心をつかむことは困難です。

各企業特有の深い悩みや組織的な課題(業務の属人化、コスト削減、人材不足など)に対して、プロフェッショナルとしての解を提示できる受け皿として、ランディングページ(LP)の重要性が高まっています。

本記事では、多岐にわたるSaaS系LPの特徴から、成果を上げるための制作時の注意点、そして各ジャンルの成功事例に共通する構成・デザインのポイントをまとめます。

この記事の要約

SaaS系LPで成果を出すためには、機能を並べるだけでなく、ターゲットごとの課題や検討プロセスに合わせた情報設計が欠かせません。①UIや利用イメージを可視化し、無形商材の価値を直感的に伝えること②導入実績・セキュリティ・サポート体制によって信頼性を担保すること③決裁者と現場担当者それぞれに響く訴求を設計することで、資料請求や無料トライアルにつながるLPを実現しやすくなります。

SaaSの特徴とLPとの親和性

SaaSの特徴

SaaSは、「無形商材」×「論理的な比較検討」×「継続利用(LTV重視)」という共通項を持ちつつも、ターゲットの企業規模や部門によって顧客心理が複雑に変化する領域です。

BtoBの商材が多く、衝動的な導入は起きにくいため、LPの役割は「即決」ではなく、「機能のベネフィット化」と「次のアクション(資料請求・無料トライアル・デモ予約)へのハードル下げ」に集約されます。

また、以下のような理由から、多様な業態においてLPとの親和性が高い業界といえます。

●組織的な課題・深い悩みの受け皿:「経理のペーパーレス化」「営業の属人化解消」「採用の歩留まり改善」など、一般的なコーポレートサイトでは埋もれがちな現場のリアルな課題に対し、広告経由でダイレクトに解決策を訴求できます。

●スペック比較からの脱却:画一的な機能一覧のフォーマットでは競合に埋もれがちですが、LPでは「UI/UXの優位性」「導入後の具体的なROI(費用対効果)」「業界別の解決実績」など、伝えたい強みに深く言及することができ、信頼を獲得しやすい。

●役職・部門別マーケティングとの相性:「経営者向け:コスト削減の側面」「現場リーダー向け:業務効率化の側面」など、ターゲットの役職や部門を絞った広告とLPを組み合わせることで、確度の高い層に効率的にアプローチできます。

こうした特徴から、SaaSのLPでは、表面的なスペック情報だけでなく、「そのシステムを利用することで組織がどう変わるか(ベネフィット)」や「導入の確実性を示す信頼性」を伝える設計が必要不可欠となります。

SaaSの主なビジネスモデルとLPの重要度

SaaSの主なビジネスモデル

先述の通り、SaaSのビジネスモデルは多岐にわたります。

ここでは以下の3点を紹介しますが、これ以外にも、API連携ツールや開発者向けSaaSなど、さまざまな商材がLPと相性が良いです。

PLG(プロダクト・レッド・グロース)型SaaS

製品そのものが利用者を拡大し、成長を牽引するモデル(例:チャットツール、オンラインデザインツールなど)。

どのモデルでもLPは最初の入口となりますが、PLGにおけるLPは「営業担当者を介さず、ユーザー自身がそのままプロダクトの実利用へと進む直通ルート」として機能する点に大きな特徴があります。

UIのわかりやすさや手軽さを直感的に伝えることで、ユーザーが心理的な摩擦(フリクション)を感じることなく、スムーズに無料トライアルやアカウント登録といった「自己完結型の初期体験」へ進む後押しが可能です。 LPを通じて「まずは自分で触ってみたい」という動機付けから実際の利用開始までをシームレスに繋ぐことが、その後のサービス定着率(アクティブ率)やバイラル展開を加速させる起点となり得ます。

SLG(セールス・レッド・グロース)/ エンタープライズ向けSaaS

営業の介入を前提とし、全社規模の導入や高額なプランを提案するモデル(例:基幹システム、統合ERPなど)。

導入にあたって社内で複数人の合意形成(稟議)が必要となるケースが多いため、LPは商談を創出するための「信頼構築のハブ」としての役割が期待されます。

導入による費用対効果(ROI)や強固なセキュリティ体制、伴走型のサポート体制などを体系的に提示することで、検討を進める上での不安を先回りして払拭し、より確度の高いリード(見込み客)を営業部門へ繋ぐことが可能になります。

バーティカルSaaS(特定業界向け業務支援)

特定の業界(不動産、医療、建設など)に特化して業務支援を行うモデル。

汎用的なツールではカバーしきれない業界特有のアナログな慣習や、複雑な法規制といった深い課題に対応するため、LPは「業界への深い理解と専門性」を示す場として機能します。

その業界ならではの文脈に沿った課題提起や、同業他社の具体的な成功事例を展開することで、「まさに自社のためのシステムだ」という強い共感を生み出し、業界内でのシェア拡大や認知形成を強力に後押しする存在となり得ます。

いずれのモデルでも、ターゲットの検討プロセスや抱える課題に合わせてLPの情報を最適化することで、事業成長を後押しする重要な戦略拠点としての活用が期待できます。

LP制作の注意点(SaaS特有のポイント)

LP制作の注意点(SaaS特有のポイント)

無形商材の可視化(UI/UXの直感的な伝達)

SaaSは実体がないため、テキストだけで魅力を伝えるのは困難です。

●実際の管理画面:ダッシュボードや操作画面の画像を大きく配置し、利用イメージを湧かせる。
●動画・アニメーション:クリックやドラッグ操作など、「使いやすさ」を視覚的に訴求する。
●図解を用いた概念説明:システム連携の仕組みやデータの流れを、直感的なインフォグラフィックで表現する。

「信頼」と「導入障壁の低さ」の可視化

BtoBの決裁において、「導入して失敗したくない」という心理が働くため、信頼性を担保する要素を必ず配置します。

●導入実績・企業ロゴ:誰もが知る有名企業のロゴや、「導入社数〇〇社突破」といった定量的な実績。
●セキュリティ基準:ISO認証やISMS取得、データセンターの安全性などの明記。
●サポート体制:オンボーディング支援やカスタマーサクセスの存在など、導入後の伴走体制を強調。

ターゲット(決裁者 vs 現場担当者)に合わせたトーン&マナー

アプローチする対象によってデザインの方向性は大きく異なります。

●現場担当者向け:「業務がどれだけラクになるか」「使いやすさ」重視。親しみやすいイラストや明るい配色。
●決裁者・経営層向け:「売上向上・コスト削減」「ガバナンス」重視。知的で信頼感のあるネイビーなどの配色、グラフを用いた論理的な構成。

入力フォームの最適化(EFO)とMA連携

BtoBのSaaSにおいて、「会社名」「部署名」「役職」など、入力項目が多くなりがちです。 会社名のサジェスト機能を入れたり、MAツール(MarketoやPardotなど)と連携したステップ式のフォームを採用するなどして、入力のストレスを極限まで減らすことがCVR向上の鍵となります。

成功事例にみるSaaS系LPの設計ポイント

最後に、SaaS系LPとして売り上げ向上を実現した、弊社の制作例をいくつかご紹介します。

株式会社エイ・アイ・エスさま|海運業界に特化した労務管理システム

株式会社エイ・アイ・エスさま|海運業界に特化した労務管理システム

<LP制作にあたってのポイント>

20年以上、海運業界向けの労務管理システムを提供されてきた株式会社エイ・アイ・エス様。500社を超える豊富な導入実績に裏付けられた、導入しやすく・誰でも使いやすいシステム設計でありながら、業界最安クラスの料金である商品としての優位性を伝えるデザイン設計を意識しました。

構成設計の工程とデザイン以降の工程を分担することで制作の作業工数を抑え、スピーディーなランディングページの制作を実現しました。

StudioLOCさま|空室対策提案レポート自動作成ツール

StudioLOCさま|空室対策提案レポート自動作成ツール

<LP制作にあたってのポイント>

テレアポや飛び込み営業といった、従来の管理受託営業スタイルでは実現しえなかった、新規オーナーからの問い合わせ獲得と、既存顧客との信頼形成を同時に叶える画期的なAIツール「参謀くん」。

ビッグデータに基づいた空室対策提案レポートが自動作成され、これまで実現できなかった、賃貸オーナーへの質の高い空室対策提案を可能にすることで、管理戸数を拡大できることを図やイラストを用いて直感的に訴求。

プレマーケティング段階から弊社のご提案した訴求ロジックに反応が集まり、サービスローンチから反響獲得に貢献。

株式会社HERPさま|採用管理システム

株式会社HERPさま|採用管理システム

<LP制作にあたってのポイント>

デジタル人材の求人倍率が上がり続ける昨今、事業拡大フェーズの企業が共通して抱える人材不足の問題。人事が抱える課題を解消し、採用活動の成果を最大化する「HERP Hire」。

ランディングページ上では、同ツールの機能的優位性を伝えるだけでなく、その先にある「採用活動の成功」に貢献できるATSであることを訴求する設計にしています。また、本ツールを用いて、実際に採用目標を達成している企業の声を紹介したコンテンツをLPの要所に配置。

加えて、タレントプール機能による採用データベースの形成やカスタマーサクセスの手厚さを訴求し、信頼感を高める構成にいたしました。

ククレブ・マーケティング株式会社さま|賃営業・マーケティング支援ツール

ククレブ・マーケティング株式会社さま|賃営業・マーケティング支援ツール

<LP制作にあたってのポイント>

デジタルトランスフォーメーション(DX)やAI活用の促進を通じて企業の業務効率の向上を支援してきたククレブ・マーケティングさま。

上場企業が開示している「中期経営計画」を同社独自のAIが横断的に分析し、見込み度の高い顧客リストの作成を通じて営業・マーケティング効率を最大化する営業支援ツール「CCReB Clip」のランディングページを制作。

企業の売上に直結する営業・マーケティング領域を担うサービスとして、数ある営業・マーケティング効率の向上をうたうソリューションや支援ツールと比較しての優位性をロジカルに説明しながら、ユーザーのコンバージョン行動を促進する情報設計を実現。 制作したLPはインハウスLPO支援ツール「CVX」に組み込むことで、内製によるLP改善や追加LP制作をサポート。

株式会社これからさま|広告運用サポートツール

株式会社これからさま|広告運用サポートツール

<LP制作にあたってのポイント>

インターネット広告運用の成果を最大化し、運用担当者の生産性を最大化させる広告運用サポートツール「AdSISTplus」。

運用を自動化し、オペレーションの効率化、進捗の一元管理、3クリックで簡単作成できるレポート機能など、運用担当者に魅力が伝わるランディングページを制作。

ターゲットユーザーである「広告代理店」と「制作会社」のニーズがそれぞれ異なることを弊社調査にて導き出し、2つのニーズに訴求するシナリオを組み立て、1つのLPで2つのニーズが満たせる情報設計を意識し、制作を行いました。

SaaS系LPで成果を出すために押さえるべき設計・制作のまとめ

SaaS系LPで成果を出す鍵は、ターゲットの課題解像度を高めた情報設計と、無形商材の価値を可視化(UI/UXの提示・ROIの証明)するコンテンツ力です。

特に、BtoBの論理的な比較検討プロセスを乗り越えるためには、ユーザーの導入に対する不安を取り除く構成ロジックが不可欠です。

もし「自社プロダクトの強みがうまく伝わらない」「無料登録はあるが有料化に繋がらない」「指名検索以外の集客柱を作りたい」といった課題を抱えている場合は、ぜひ弊社にお声掛けください。

SaaS業界特有のBtoBマーケティングのセオリーを熟知した上で、貴社のビジネスモデルに最適なLP設計・制作・運用まで、ワンストップでご支援いたします。