KAIZEN REPORTブログ

2022.1.31 | アクセス解析の改善

コンバージョン(CV)とは?マーケティングの成果を可視化する上で、把握しておきたいCVの基礎知識

コンバージョン(CV)とは?マーケティングの成果を可視化する上で、把握しておきたいCVの基礎知識

DX推進が叫ばれる昨今。様々な業種・業界でDXに向けた取り組みが活発化し、各社が抱える経営課題に対してDX化が検討もしくは実行されていると思います。

その中でも、特に売上・業績に直結する「攻めのDX」という観点で、デジタルマーケティングは、これまで以上に重要度が高くなると感じています。

コンバージョンラボでもこれまで接点がなかった業界や業種からのお問い合わせも増え、その相談内容をお伺いすると、デジタルマーケティングを始めるにあたり、ランディングページ(LP)の制作やLPO、ツールの導入やweb広告の運用までと幅広なご相談を受ける機会が増えていることを日々実感しています。

ただ、ランディングページ(LP)やweb広告などを活用したデジタルマーケティングというのは、あくまで手段です。ここで重要な指標になってくるのが、その手段を通じて得る「成果」=「コンバージョン(CV)」に他なりません。

すでにwebマーケティングを推進している担当者には当たり前の指標ではありますが、これから始める人にとっては、非常に重要な指標でもあります。

以上を踏まえ、コンバージョン(CV)とはそもそも何か?そして自社にとっての最適なコンバージョンポイントとは、何か?こういった点を考慮したうえで、web広告やデジタルマーケティング、ランディングページ(LP)の設計などを考えていく必要があるため、そういった方々に向けて考えや基礎情報を今回の記事に整理してみました。

そもそもコンバージョン(CV)とは、何か?

コンバージョン(CV)とは、デジタルマーケティングの最終成果をはかる重要な指標です。

コンバージョン(CV)は数字として定量的に表すことができ、Web広告の成果やランディングページ(LP)の成果、つまりデジタルマーケティング全般の成果を判断するための評価指標と言えます。

コンバージョンの計測ができる環境を整えておけば、どの期間にどの程度のユーザーがどの媒体を経由して、ランディングページ(LP)に訪れたのか、実際に何人がコンバージョン(CV)に至ったのかなど、詳細に分析することが可能です。

さらに様々な解析ツールを活用すれば、リアルタイムに状況を把握することもでき、現状の分析や課題の把握、次の打ち手など、継続的な改善PDCAを回していくことが可能になります。

コンバージョンの定義

コンバージョン(CV)とは、成果をはかる概念的な名称で言葉自体に転換という意味を含んでいます

これは、流入してきたユーザーを何に転換させるか?という意味合いで使われ、ページに流入してきたユーザーに対して、「購入」「お問い合わせ」「資料請求」「予約」「登録」などの具体的な行動(=コンバージョンポイント)に転換させる概念と理解しておけばよいでしょう。

実際には、各社ごとに、またビジネスモデルごとに、コンバージョンポイントは異なります。そのため、コンバージョン(CV)とは概念であること、そしてコンバージョンポイントは1つではないこと、自社のビジネスに最適なコンバージョンポイントがあることをまずは理解しておけばよいでしょう。

次に具体的なコンバージョンポイントを設定する場合、ユーザーがランディングページ上で行動を起こすうえで、心理的にハードルが高いものと低いものがあることを忘れてはいけません。

たとえば、会員登録をコンバージョンとした場合をとってみても、有料での会員登録として始めるのか?無料での会員登録から始めるのか?という選択肢/考え方もあります。

その場合、明らかに有料での会員登録のほうが費用が発生するため、ユーザーにとっては心理的ハードルが高いと言えます。一方、無料会員登録であれば、先と比べると逆に費用もかからないため、心理的ハードルも低く、コンバージョン(CV)が発生しやすいとも言えます。

こういった点も考慮し、コンバージョンポイントを最適なものに設計(途中で変更)することも必要なケースがあります。

コンバージョンと心理ハードルの相関図

投資に対しての成果をはかる指標「コンバージョン率=CVR」

投資している広告費用に対して、見合った成果が出ているのか否かを判断する指標として「コンバージョン率=CVR」という指標が必要になります。

コンバージョン率(CVR)とは、ランディングページに訪れたユーザーの中で実際に行動を起こした人の割合を示す指標です。「コンバージョン数/ランディングページに訪れた人数×100」で計算することができ、「%」で表現されます。営業活動で例えると、成約率や受注率のような生産性を表す指標と言えるでしょう。

ここで「商品の購入」をコンバージョンポイントとして設定したケースを例に解説してみたいと思います。

100人のユーザーがランディングページを訪れて、その中の1人が商品を購入した場合、コンバージョン率(CVR)は、1%(100人中1人)です。仮にこのコンバージョン率(CVR)が2%になれば、50人に1人が商品を購入してくれることになるため、売上における効率が倍増することになります。

こういった生産性を数値化することができるため、どれだけ多くの来訪者をweb広告で集めたとしても、その受け皿となるランディングページ(LP)のコンバージョン率(CVR)が悪ければ、無駄な広告投資をしていると判断したり、またその逆の場合であれば、さらに追加投資を行うという判断も合理的に可能になります。

コンバージョン率の求め方

コンバージョン率と顧客獲得単価(CPA)の相関関係

顧客獲得単価(CPA)とは1件のコンバージョンを獲得するために必要となった広告費用のことです。「商品購入」をコンバージョンポイントに設定した場合を例に考えてみます。この場合のコンバージョン率(CVR)を1%とすると、1人の購入者を獲得するために100人の集客が必要になると逆算することができます。

ここで、1人を集客するために必要な広告費用(=クリック単価 CPC)が50円とすると、100人を集客するための広告費用は、「50円×100人=5,000円」になります。

つまり、1件のコンバージョンを獲得するために、5,000円の広告コストがかかるということになります。この5,000円こそが顧客獲得単価(CPA)になります。仮にこのケースで、コンバージョン率(CVR)が2倍になった場合、5,000円の広告費用で100人を集客すると2件のコンバージョン(CV)となるため、1人の購入者を獲得するために必要な広告予算は、半額の2,500円に下がることなります。

このように、コンバージョン率(CVR)が上がると、その分顧客獲得単価が減るため、CPAを重要な指標とするケースも少なくはありません

顧客獲得単価の計算例

代表的なコンバージョンポイントの設計パターン

コンバージョン(CV)は、先に挙げたたようにあくまで概念です。

実用場面においては、一般ユーザーがビジネスの対象になるB2Cや法人を取引とするB2B問わず、自由にコンバージョンポイントを設定することができます。

ここでは代表的なコンバージョンポイントのパターンについていくつか紹介していきます。

ランディングページ上で販売(決済)まで完了させたい場合

コンバージョンポイントの例:

「購入する」「定期購入する」「申し込む」

CTAサンプル:定期購入

商品をランディングページ上で直接販売する(決済まで完了させる)ケースに該当し、化粧品や健康食品などの単品通販と言われる業界で代表的な用途になっています。

また物販に限らず、無形サービス、例えば会員制のオンライン婚活や教育系のサービスなど、こういったオンライン完結系のサービスなど、サブスクリプションサービスが台頭・普及してきたことで、こういったサービスも該当してくるかと思います。

ランディングページ上でトライアルユーザーを獲得したい場合

コンバージョンポイントの例:

「お試し購入」「無料で登録」「無料トライアル」「無料相談する」 

CTAサンプル:無料トライアル

無料もしくは初回のみの限定条件でお得な料金・価格で、商品やサービスを試してもらう、体験してもらう場合に活用されるコンバージョンポイントになります。

こちらは、物販以外にも、教育、金融、美容系サロンやプライベートジム、結婚相談所から不動産系サービスまで接客をともなうサービス業全般まで用途があるでしょう。また、B2Cに限らず、B2Bにおいても現在はSaaS型ツールが普及しているため、無料のトライアル期間を設けて、そこから有料プランにアップグレードするという場合でも活用されるケースは多いでしょう。

来店予約やセミナー・イベントへの集客を目的としたい場合

コンバージョンポイントの例:

「来店予約」「セミナー参加」「会場見学」

CTAサンプル:セミナー申し込み

店舗やサロンへの来店予約の獲得や不動産物件などの内覧予約、定期的に開催するセミナーやイベントへの集客などを目的とする場合に使われるコンバージョンポイントです。

特に人を介して販売活動が必要なビジネスモデルや、空間自体が商品となっているビジネスモデル(結婚式場や不動産物件など)は対面予約(来店予約/会場予約)は売上に直結する重要な指標となっています。

資料請求、見積依頼など見込み客を集めたい場合

コンバージョンポイントの例:

「資料請求」「見積もり依頼」「カタログ請求」

お見積もり依頼

商品やサービスの詳細について興味や関心があるユーザーを集めたい場合に活用されるコンバージョンポイントになります。

ユーザーにとってもランディングページに掲載されている以上の詳しい情報を得たり、具体的な費用について確認できるメリットがあるため、LP上で直接販売するビジネスモデルを除いては、広くコンバージョンポイントとして利用されるケースが多い傾向があります。ただ、最近では資料などを郵送するよりも、ダウンロード型でデジタルコンテンツとして提供する形に置き換わっているケースも見受けられます。

コンバージョンポイントの計測設定と活かし方について

また、コンバージョン獲得までの流れを「入り口」と「出口」に例えるとよりイメージがつきやすいかもしれません。

コンバージョン獲得までの流れ

上記のように、「入り口」=「流入」、「出口」=「コンバージョンポイント」と置き換えることができ、ランディングページに対して“どれくらいのユーザーを流入させ、最終的にどれくらいの割合でアクションを起こすよう促せるのか”がコンバージョン率(CVR)となり、このコンバージョン率(CVR)はGoogleアナリティクスで具体的に設定が可能です。

また設定後は常に確認が行えるようになるので、コンバージョンポイントを定めたら、必ずGoogleアナリティクスをはじめとした各種計測ツールで目標設定を必ず行いましょう

Googleアナリティクスの目標設定方法について

簡単ではありますが、その設定方法についても、合わせて紹介しておきます。

まず、Googleアナリティクスの管理画面を開き、左下にある「歯車マーク」をクリックします。すると、アカウントやプロパティなど様々な設定を行うことのできる設定画面に遷移するので、画面右側にある「目標」をクリックします。

※この記事ではGoogleアナリティクスの中でも、ユニバーサルアナリティクスの解説に限定しています。

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)解説

目標の設定画面にて、画面中央にある赤い「+新しい目標」ボタンをクリックすると、Googleアナリティクスの目標を新規追加できます。

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)解説

目標を新規追加するためには、まず任意の目標名を記述します。

次にすぐ下にある目標のタイプについて、今回はお問い合わせフォームのサンクスページに遷移した時に目標計測させたいため、「到達ページ」を選択し、画面下の「続行」をクリックします。

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)解説

その後「到達ページ」の設定で、プルダウンメニューを「等しい」など、適切なマッチタイプに設定したあと、認知の完了ページのURLのドメイン以降を記入します。基本的にはこの設定を「保存」することで、Googleアナリティクス上で目標計測ができるようになります。

なお、注意事項として目標設定した際は必ずフォームの送信テストを行い、Googleアナリティクスの管理画面上で設定した目標の計測ができているか、確認することをおすすめします。

Googleアナリティクス(ユニバーサルアナリティクス)解説

以上の設定をもって、このwebサイトが「どれくらい成果をあげたか?」をGoogleアナリティクスを介して確認することができるようになります

また、一度設定すればデータは時系列で見られるため、いつ、どれくらいの頻度で成果が上がっているのかを確認できたり、 どの流入経路からもっとも成果があがっているか、成果が出るまでにどれくらいの日数を要したか?など成果獲得に関連する指標や結果に至るプロセスを分析し、より効率的に成果をあげるためのヒントを考えるきっかけにもつながってくるでしょう。

Googleアナリティクスのコンバージョンの計測から分かること

Googleアナリティクスの目標設定が完了したら、下記の記事でGoogleアナリティクスの基本的な使い方や見方、その他必要な追加の設定などを関連記事で解説しているので、是非参照してみてください。

(関連記事1)

Googleアナリティクスの基本的な使い方や管理画面の見方を解説!

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他にも、広告を含む複数の流入元があるサイトやランディングページを分析する際に、utmパラメータを活用したサイトやランディングページの分析方法について解説しているので、合わせて参照してみてください。

(関連記事2)

LPの分析改善に役立つutmパラメータとは?基礎説明と初期設定を解説

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Googleアナリティクスの目標設定完了後は、Googleオプティマイズなどもあわせて初期設定と連携を済ませておくとその後のLPの改善運用などにも便利です。合わせて関連記事として紹介しておきます。

(関連記事3)

ランディングページのコンバージョン改善に大切なA/Bテストとは?〜基礎と実装までの手順〜

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コンバージョン(CV)の基礎説明の最後に

今回は基礎的なコンバージョン(CV)とは?の説明に限定し、概念の説明からGoogleアナリティクスなどの解析ツール上で可視化させるための初期設定など実用面にフォーカスし、紹介させていただきました。

今回のコンバージョンポイントは最終コンバージョンと言われる類のものを中心に紹介することになりましたが、実はそれ以外にもLP上に設置したボタンクリック数や特定のコンテンツを閲覧する割合を示すクリック率やどこまでページを閲覧したのか?を示すスクロール到達率、LPから次のページに遷移したページ遷移率など、最終コンバージョンに至る前の指標となるマイクロコンバージョンという概念も存在します。

今回はそこまでの紹介ができませんでしたが、機会があれば、次はマイクロコンバージョンについての記事も紹介していきたいと思います。