KAIZEN REPORTブログ

2021.7.1 | アクセス解析の改善

LPOとは?コンバージョンを最大化させる、WEBマーケティングの新常識

LPOとは?コンバージョンを最大化させる、WEBマーケティングの新常識

LP(ランディングページ)を制作し運用しているものの、思うような成果が維持できなかったり、競合と比較して自社のページが見劣りするようになったと感じるタイミングは、WEBマーケティングの世界に身を置く方にとっては、必ず直面するものと思います。

その際に、一般的に考えうる施策として、新たなLPを用意するという手法を思い浮かぶ方が多いかと思います。

実際に、弊社にもLPの効果改善を目的としたLPのリニューアルや新規制作のお問い合わせを多くいただいております。

しかし、新しいLPを用意することで、成果が改善されることは多いですが、新しいLPを用意するためには、どうしても時間と費用が多くかかってしまいます。

※成果改善を前提とした制作になるため、既存のLPとは異なる情報のロジックが必要となることが多く、その最適解を導くためには、しっかりと工数をかける必要があります。

そこで注目されているのが、LPO(Landing Page Optimization)という、今あるLPの効果を最大化する新しい手法です。

直訳すると、「ランディングページ最適化」となり、「コンバージョンを獲得できる最適な形に改善する」ことを指します。

ランディングページそのものと混合されることもありますが、厳密には異なる概念を指したワードとなります。

LPOの最大のメリットは、既存のLPのデザインそのものや、それまで運用していたデータを活用できることにあり、新たにLPを制作するよりも比較的少ない工数で、かつ、精度の高い改善を実施できる点にあります。

そこで今回の記事では、ランディングページの成果改善の施策である「LPO」についてご紹介いたします。

なお、ここではLPOに関する基本的な特徴を解説するとともに、新規制作との違いについてもご紹介いたします。LPOの概要を理解し、今後のWEBマーケティングにお役立ていただけたらと思います。

LPOと新規制作におけるそれぞれの違い・特徴について

ランディングページの施策としてLPOが最適なのか、それともリニューアルや新規制作の方がいいかという点については、その時々の目的や状況によって異なります。

ここでは、両者の特徴やメリット・デメリットについてご紹介いたしますので、自社の状況や目的と照らし合わせて、ご参考いただければと思います。

LPOとは

前段でもご紹介しましたが、LPOとは、Landing Page Optimization の略であり、ランディングページの分析と改善を行うことで、CV(コンバージョン)率の向上を目指すことを指します。

LPOの前提として、既存のランディングページの内容を生かしつつ、データ分析に基づいた、改善案の実装から検証までを行うというのが1つの定義となります。

まったく新しいLPを用意するのではなく、既存のLPに対して、メインビジュアルや体験談コンテンツなど、特定の要素に対して手を入れていくような手順となるため、新規制作と比較すると、ゼロイチで構成やデザインを用意する必要がなく、費用や工数を抑えながら、着実に獲得効率と成果の改善を目指すことができます。

その反面、分析ツールを駆使し、改善案を長期的に考えていくスキルが求められるので、ある程度のWEBマーケティングの知見や経験がないと、実施していくのは難しいと言えます。

LPOのメリット・デメリット
LPOのメリット・デメリット

新規制作について

新規制作やランディングページのリニューアルを行う最大のメリットは、最新のユーザーニーズやマーケット状況といった事前調査を改めて行うことで、より精度の高い情報設計と既存のページにはない新たな切り口が生まれ、大幅な成果改善が期待できるという点です。

反面、既存LPのデザインを活用したLPOとは異なり、毎回新たな構成やデザインをゼロベースで用意する必要があるため、制作期間や費用にある程度の余裕がないと、頻繁に新規制作を行うことは条件面でハードルが高くなります。

新規制作のメリット・デメリット
新規制作のメリット・デメリット

LPOに必要な考え方

ここからはLPOにおける基本的な考え方や進め方について、お伝えします。

まず、LPOの全体像を理解し、その状況に応じて効率的かつ最適なルートを辿ることが成果改善にとっては最重要です。

上記のように、まずは目標を定め、問題点をグーグルアナリティクスやヒートマップの解析ツールにより明らかにしてから問題原因の仮説を立て、ABテストを行い、ABテストの結果をもとにまた目標を定める、この計画性のあるPDCAサイクルをスムーズに回すことが重要となります。

では、LPの問題点とは具体的にどのようなことでしょうか。

1つの例をあげてイメージをしていきましょう。

例えば、Aちゃんは塾に通っているが全く成績が上がらなく悩んでいます。そこでAちゃんの母親は多少お金がかかったとしても子供の成績が上がるならと、Aちゃんと一緒に別の学習塾を探し始めました。

この際に塾を選ぶ価値基準は「成績があがるのか?」 

「どんな実績がある講師が教えてくれるのか?」といった点が「どのくらいの費用がかかるか?」よりも優先度は高くなっています。

そんな中、アクセスしたLPの内容が「安さ」ばかりで、肝心の「成績が上がる」ことに言及していなかったとしましょう。ご想像の通り、ユーザーが求めている情報と企業が発信している情報にミスマッチが起こり、Aちゃんは違う学習塾のページに移動してしまうのはお分かりでしょう。

これは一例ですが、このように需要と供給のミスマッチが発生していることがLPの問題点の1つと言えるでしょう。

そして、この具体的に浮き彫りになった問題点を解決するための改善案を用意し、ABテストを実行し、その結果から新たな問題点を浮き彫りにしていくことを継続的に行っていくことがLPOを実行する上で最も重要なポイントです。

それではさらに詳しくLPOの具体的内容を見ていきましょう。

ABテストを繰り返しながら成果のボトムラインを底上げしていく

LPOにおける重要な手法の1つに、「A/Bテスト」があります。

A/Bテストについては以下の記事で詳しく紹介させていただいておりますので、ここでは簡単にその全体像について、ご紹介させていただきます。

【記事】ランディングページのコンバージョン改善に大切なA/Bテストとは?〜基礎と実装までの手順〜

https://conversion-labo.jp/report/analyze/8108/

A/Bテストというのは、「2つの異なるパターン(AとB)を同時に配信し、どちらが優位かを見極めるテスト」を指します。

流入するユーザーに対して、ランダムに2つのパターンのうちのどちらかが表示されます。

A/Bテストの全体像
A/Bテストの全体像

A/Bテストの最大の特徴は、「現状で最も成果の高いパターンを運用できる」点にあります。

上記のように、一般的にはオリジナルパターンとテストパターンを用意し、その優劣の検証を行います。

簡単にテストのフローを紹介させていただきますと、

仮にオリジナルパターンが勝利すれば、そのまま新しいテストパターンを用意し、新たな検証を行い、逆にテストパターンが勝利すれば、その内容をオリジナルとして反映したうえで、新たなテストパターンを用意し、また新たな検証を行うというループになります。

図にすると、以下のような形となります。

A/Bテストフローのイメージ
A/Bテストフローのイメージ

このように、常により成果の出た勝利パターンをベースに新たなテストが開始されるため、常に右肩上がりでの成果獲得が期待され、単純な期間による切り替えテストと比較して、大きく崩れるリスクが少ないことも、強みの1つとして挙げることができます。

また、同じタイミングで配信を行うため、季節性といった外的な要因の影響が少ないテストであるとも言われています。

上記のように、今あるLPを活用していくことで、成果のボトムラインが大きく崩れることなく、テストを繰り返していく中で徐々に獲得率を向上させていくことができるのも、LPOの大きなメリットの1つであると言えます。

LPOで必須となる、既存ページの分析について

ランディングページの改修において、「改善施策を考案するのが難しい」というお声をよくいただきます。

ランディングページは縦長であることが多く、かつ、1つのページに複数の異なるコンテンツ(=情報)が載っていることが多いため、何を追加するのか?だけでなく、そもそもどこを改修すればいいのか?といった部分も踏まえて考える必要があるので、1つのページに1つの情報のみが用意されている一般的なサイトの改善と比較すると、継続的に改善施策を考えていくのは難しいと言えるでしょう。

そのため、LPOの現場では客観的なデータを取得するための、分析ツールの導入が必須となります。分析ツールを使いこなし、客観的なデータを取得することができれば、流入してくるユーザーの傾向が見え、ページ上でどのような動きをしているのかを明確化できるので、より確度の高い改善施策を考案しやすくなります。ここでは簡単に、LPOの現場でよく使われる各種分析方法について、ご紹介して参りたいと思います。

Googleアナリティクスによるユーザーの属性分析

Googleアナリティクスを導入することによって、ページに流入したユーザーの年齢・性別、時間帯や曜日といった特性データや、ページへの流入導線といった情報を得ることができるため、ページ改善のためのヒントとして活用することができます。

実際にコンバージョンしているユーザーに年齢や性別に傾向はあるのか?コンバージョンしているユーザーとそうでないユーザーの滞在時間に差があるのか?といった、具体的なユーザーのペルソナ像を構築することができ、必要な情報や改善の方向性が見えてきやすくなります。

しかしその反面、多機能であるため、抽出したいデータを自在に取り出すためには複雑な操作や設定が必要になってきます。そのため、最初のうちは取得するデータを絞って抽出することをお勧めします。

Googleアナリティクスの管理画面
Googleアナリティクスの管理画面

下記の記事では、主に必要とされるデータや、その抽出方法について、紹介しておりますので、ご参考ください。

【記事】ランディングページ改善(LPO)に不可欠なGoogleアナリティクス分析

https://conversion-labo.jp/report/analyze/7849/

ヒートマップツールによる行動分析

先述の通り、ランディングページは主に1枚型の縦長のページ構成になることが多く、ページに流入してきたユーザーが、「どのコンテンツをどれくらいの時間見ているか?」という指標であったり、「どのボタンがクリックされているか?」「どのエリアから離脱しているか?」とったようなユーザーの動きを把握するデータを取得することができれば、改善施策を考える上で、大きな参考情報となります。

ヒートマップデータの例
ヒートマップデータの例

たとえば、上記のヒートマップのイメージでは、ページの前半は見られているものの、ページの後半があまり見られていないことがわかります。

そのため、注目されているコンテンツを狙って手を入れたり、逆に注目度が落ち始めているコンテンツをボトルネックとしてテコ入れを行ったりといった改善の方向性が見えてきます。

下記の記事では、主にヒートマップ分析を用いた、ランディングページの改善点の抽出方法についてご紹介させていただいています。

【記事】ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント

https://conversion-labo.jp/report/lp_design/6508/

コンバージョンキーワードによる分析

実際にLPの運用を行っていくと、広告流入においてコンバージョンの獲得に貢献したキーワード群が判明していきます。そして、管理画面上で確認できるコンバージョンキーワードの内容がランディングページに適切に盛り込まれているか、といった視点で改修内容を考えることもできます。

下記の記事では、コンバージョンキーワードに関する情報を活用した、LP改善の手法についてご紹介しておりますのでぜひご参照ください。

【記事】コンバージョンしたキーワードを元にランディングページを改善する

https://conversion-labo.jp/report/lp_design/6454/

LPO事例

コーチング英会話サービス集客用ランディングページ

レッドオーシャンの英会話/英語コーチング業界において、他社との異なる強みが伝わるように情報設計を再考し、ABテストを繰り返しながら、CPAを2分の1以上改善することを達成した。

第二新卒・既卒者向け就職支援サービス
会員獲得用ランディングページ

PC /スマホランディングページを全面リニューアル。最新のユーザーニーズの追求を徹底的に行い、情報設計を再考。CV1.8倍の成果を上げた。

まとめ

今回はランディングページにおける、新規制作とLPOの考え方の違いについてご紹介をさせていただきました。LPOを選択した場合、既存ページの内容をベースに成果改善を狙うことができるので、限られた予算の中でスピード感が求められる場合は、新規制作やフルリニューアルより優位な面も多いですが、実際にLPOを実施してPDCAサイクルを継続的に回していくためには、集客方法を含めたWEBマーケティングにまつわる様々な知見が必要になります。

コンバージョンラボでは、幅広い業種・業界のWEBマーケティング支援を行った累計450案件以上の実績をもとに、広告手法を含めた、最適なWEBマーケティング手法のご提案が可能です。

新規制作、LPOを問わず様々なご提案が可能となっておりますので、ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。