KAIZEN REPORTブログ
2017.12.27 | LPデザイン制作の改善
ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント
Webマーケティングの集客効率を高めるためには、ランディングページの継続的な分析・改善は欠かせません。ランディングページはその名のとおり、広告の受け皿となることが多く、いかに費用対効果を効率良く運用していけるのかが鍵となります。
ランディングページの改善・運用に関する基本的な考え方については、こちらの記事(ランディングページ改善運用の基本的な考え方)にて紹介していますが、ランディングページのデザインを変更することで、効果が良くなることもあれば、かえって効果が悪くなってしまうこともあります。
さらに厄介ことに、「これさえやっておけば100%効果が出る」といった裏技は存在せず、どんなに良いと思える改善施策でも、実際に実施・運用してみると、思ったほどの効果が得られない…ということは珍しくありません。
しかし、リスクばかりに気を取られ、改善を行わないままでは、ランディングページの効果は一向に改善されません。
そこで、リスクをなるべく抑え、成功率の高い施策を実施することが求められます。
そのためには、ランディングページに対する現状分析をしっかりと行い、コンバージョンの妨げになっているコンテンツや、逆にコンバージョンの獲得に貢献しているコンテンツを把握する必要があります。
しかし、ランディングページは縦長であるため、構成要素が一般的なサイトよりも多く、どこがボトルネックとなっているのか、問題点の発掘が難しい傾向にあります。
そこで大いに活躍するのが、ヒートマップ分析ツールです。
今回の記事では、ヒートマップ分析を用いた、ランディングページの改善点の抽出方法について紹介させていただきます。
ここでは、大きく以下の3つのポイントにわけて、説明していきます。
1.ヒートマップ分析ツールとは?
2.ランディングページ分析で最低限必要な3つの機能
3.ヒートマップ分析ツールを用いた、ランディングページの改善方法
ヒートマップ分析ツールとは?
ヒートマップとはその名の通り、ページ全体のうち、ユーザーの興味ある箇所は赤く、逆に興味のない箇所は青く表示される、サーモメーターのような役割を持っています。
ユーザーのランディングページ上での動きが可視化されるため、コンバージョン獲得に貢献しているコンテンツとそうでないコンテンツが一目瞭然になります。
経験値や感覚などによる改善を行うよりも、ロジカルに改善の方向性が見出せるため、よりリスクを抑えた、確度の高い改善を実現することができます。
当社ではランディングページの分析・改善を行う際には、Pt-mind社が提供している「Ptengine(PTエンジン)」というヒートマップ分析ツールを導入しており、ランディングページの分析・改善には必要不可欠なツールであるといえます。
<図001 ヒートマップの例>
LP分析で最低限必要な3つの機能
最近では様々な企業がヒートマップツールを提供していますが、ツールによって計測できる指標や機能にも差があります。
そのため、「このツールが一番良い」とは一概には言えませんが、ことランディングページの分析においては、最低でも以下の3つを計測できるツールを選ばれることをおすすめします。
(1)クリック/タップ位置
来訪ユーザーがページ内のどこをクリック/タップしているのかを可視化した指標となります。
ランディングページは、ページの途中にコンバージョンエリアを複数設置したり、 メールや電話、LINE など、複数のコンバージョンポイントを設置したりするケースが多いため、来訪ユーザーがどのボタンからのコンバージョンが多いかを確認することができます。
<002クリック/タップ形跡>
上記の例では、「体験談」の切り替えボタンがタップされていることから、「体験談」をより多く見たいと考えているのではないかと考察することができます。
(2)アテンション(注目度)
アテンションは「注目度」とも言い換えることができ、来訪ユーザーがページのどのコンテンツに興味・関心があるのかを可視化した指標になります。
滞在時間が長いコンテンツは赤く、滞在時間が短いコンテンツは青暗く表示され、ページ内の各コンテンツの関心度を図れるため、縦長になりがちなランディングページにおいては、不可欠な指標となります。
<003注目度の例>
(3)スクロール率
ランディングページ上の情報を伝えるためには、ユーザーのスクロールを促し、より深くページ内の情報を読み進めていってもらう必要があります。
しかし、スクロールを行うかどうかはユーザーが瞬間的に判断するため、 そのページが有益でないと判断された時点で、ユーザーはスクロールを中止し、ページから離脱してしまいます。
スクロール率は読了率とも呼ばれる、ランディングページ全体の閲覧度合いを測る指標で、どれくらいのユーザーがどのセクションまで情報を読み進めているのかを数値で把握することができるため、ランディングページ改善の方向性を定める、有益な分析データとなります。
<004スクロール率の例>
最低限これらの指標があれば、ある程度ランディングページの分析を行うことができるようになるでしょう。
なお、ツールによっては、流入した広告手法や、閲覧しているデバイス、コンバージョンをしたユーザーとしていないユーザーなど、細かくセグメントしたヒートマップが見られるツールもありますので、より詳しく、かつ確度の高い分析を行いたい方は、そのような機能のあるツールをご利用されることをおすすめします。
なお、前述の「Ptengine」はこれらの機能がすべて揃っており、UIもシンプルで使い易いため、当社でランディングページ改善の際には必ずといっていいほど、「Ptengine」を活用して、ランディングページの分析・改善を行っています。
ヒートマップ分析ツールを用いた、ランディングページの改善方法
ヒートマップ分析を活用した改善方法は数え切れないほどありますが、ここでは代表的な改善例を3つ紹介させていただきます。
(1)クリック/タップを軸とした改善
→クリック/タップを指標としてコンバージョンの獲得に貢献しているコンテンツを見極める方法には、ランディングページ内にある複数のコンバージョンエリアのクリック/タップ数を比較する方法があります。
ユーザーはアクションを起こすか否かを瞬間的に判断しているため、その商材/サービスが「良い」と判断したタイミングで、コンバージョンを起こしていることが多い傾向があります。
そのため、多くのクリック/タップが集まっているコンバージョンボタンの直前に配置してあるコンテンツが、ユーザーのコンバージョン獲得に貢献しているコンテンツであると判断することができます。
<005セクション比較の図>
(2)アテンション(注目度)を軸とした改善
→ユーザーはページ内のすべてのコンテンツを同じ時間をかけて見ているわけではありません。時間をかけて見ているコンテンツもあれば、そうでないコンテンツもあるでしょう。
中には、滞在時間が極端に短く、ほとんどのユーザーが読み飛ばしているコンテンツもあります。
そのような場合、そのコンテンツの内容がユーザーのニーズとマッチしていない可能性があります。
その場合は、コンテンツの情報要素をより充実させ、ユーザーの関心をひきつけられるようにグレードアップさせる方法や、コンテンツを一から作り直す方法がありますが、コンテンツを作り変えるのにはそれなりに時間もかかります。
そこで、注目度の低いコンテンツは、思い切って削除してみるのも一つの手です。
ランディングページはあくまでコンバージョンの獲得が目的であり、ユーザーのニーズにマッチしていない、ただ伝えたい情報を伝えることが目的ではありません。スピード感をもって改善を行う場合は、一度「注目度」の低いコンテンツを削除し、様子を見てみるのもひとつ有効な方法です。
<006削除の例>
(3)スクロール率を軸とした改善
→ランディングページを運用していると、ページ内のある箇所でスクロール率が大きく減少していることも珍しくありません。来訪ユーザーにより多くの情報を伝えるためには、その「離脱ポイント」をなるべくページの下の方に持ってくることが理想となるため、スクロール率の改善が必要となります。
スクロール率を改善する方法の1つに、離脱ポイントの下に配置されている、注目率の高いコンテンツを離脱ポイントの箇所に配置を変更する方法があります。
ユーザーの関心度の高いコンテンツを離脱していた箇所に持ってくるこことで、スクロールのモチベーションを維持し、情報を読み進めてもらうことができることがあります。
なお、スクロール率が低いからといって、100%改善が必要であるとはいえないため、「なぜスクロール率が減少しているのか」までしっかりと分析をすることが大切です。
<007コンテンツ入れ替えの例>
「コンバージョン」フィルターを活用して、ページ離脱の原因を把握する
スクロール率減少の要因の1つとして、ページの閲覧中に入力フォームへ遷移してコンバージョンした場合も含まれます。
この点を考慮せずに分析を行ってしまうと、せっかく効果の出ていたコンテンツを誤って改修してしまう可能性があるため、注意が必要です。
そのため、コンバージョンしたユーザーとサイトから離脱した人を見極めるために、「コンバージョン」フィルターを設定したヒートマップと見比べて検証するという方法があります。
この方法であれば、実際にコンバージョンしたユーザーがどのポイントでページから離脱し、コンバージョンしているのかを知ることができ、改善のヒントを得ることができます。
最後に
今回は、ヒートマップ分析ツールを用いたランディングページ改善について紹介させていただきました。
改善施策についてもいくつか紹介していますが、ご留意いただきたいのは、ここで紹介した改善施策を行ったからといって、100%効果がでるわけではないということです。
先述のとおり、「これさえやっておけば100%効果が出る」といった裏技は存在しません。
同じように注目度が低いコンテンツでも、ページが異なれば、その原因もまた異なるため、全く異なる解決のアプローチが必要な場合があります。
ランディングページの分析においては、ページを深く分析し、コンバージョンを妨げている原因を1つ1つ明確にし、最適な解決策を実践することが、効果改善の唯一の方法です。
ヒートマップ分析ツールはあくまでもそれを手助けするツールであることを忘れず、しっかりとランディングページの課題と向き合っていくことが重要です。
-
2021.4.27 LPデザイン制作の改善
-
2013.1.30 LPデザイン制作の改善
-
2013.8.2 LPデザイン制作の改善
-
2017.12.27 LPデザイン制作の改善