KAIZEN REPORTブログ
2020.2.13 | LPデザイン制作の改善
これからのwebデザイナーのキャリアアップに必要なスキルとノウハウ
webデザインの世界において、マーケティング発想がより重要になってきているかと思います。
インターネット広告はますます需要が高まり、競争が熾烈になっています。各社が自社の商品・サービスを売るために、GoogleやYahoo!などのリスティング広告や、twitterやfacebookをはじめとするSNS広告などに力を入れ、ユーザーの獲得にあの手この手で施策を打っています。そして、その傾向はますます強まっています。
そのため、受け皿となるサイトやランディングページもまた自社が伝えたいことだけを発信するだけではなく、ユーザーが求めることに合わせて常に改善していかなければ現状を維持することも難しいという状況になってきていると強く感じています。
コンバージョンラボではあらゆる業界のランディングページやサイトの制作・運用改善を行っているため、そうしたニーズが以前よりも急激に強くなっていることを感じています。
そのような時流において、webデザインやランディングページのデザインを行うデザイナーはどのようなことを意識して日々の仕事に取り組めばよいのでしょうか?
webマーケティングの現場に携わる当社の体感値を元に、これからのwebデザイナーに必要な知見やスキルについて改めて整理してみました。
webマーケティング/解析ツールへの知見やノウハウを持つこと
デザイナーであっても動線設計や流入してくるユーザー、ユーザーのページ内での動きなどへの認識を持っていないと、せっかく制作したデザインも戦略から外れたデザインになる可能性があります。
そのために、リスティング広告やSNS広告などのインターネット広告に対する理解を深めることはもちろん、サイトやランディングページには欠かせないGoogleアナリティクスや各種ヒートマップツールへの理解度を高めておくことが重要です。
また、リスティング広告であれば、ユーザーに検索してほしいキーワードはあらかじめ抽出できます。そうして抽出した検索キーワードで流入してくるユーザーの志向性をあらかじめ想定した上でデザインに落とし込む必要があります。
一方で、SNS広告で流入してくるユーザーは特定のキーワードの検索による流入ではないため、瞬間的にユーザーを引きつけるデザインであったり、ページ自体もよりスムーズにひっかかりがなくスクロールできるかといった点を意識する必要があります。
そのような場合、SNSを見るデバイスとしては、スマートフォンがほとんどのため、スマートフォン側で表示させるページの文字の大きさやテキスト量など含めてビジュアルを設計・デザインする必要があります。
また、各種解析ツールへの理解という点では、実際に自分で管理画面等で触ってみて、操作できることがベターですが、仮に自分でデータを細かく出力することなどができなくても「アウトプットデータを見た時に内容を理解できる」、「その数値が意味するものを理解することができる」、そういったことができるだけでも実際のデザインで何を行わなければいけないのか?ということが見えてくるかと思います。
そうしたマーケティング発想を持って、広告や解析ツールへの理解、そしてそこから導き出せるデータへの理解を深めておくことにより、ユーザーのアクションに変化をもたらすデザインを生み出すことにもつながっていきます。
多様化するクライアントの意向を掴むこと
マーケティング発想が重要になる一方で、インターネット広告市場の競争が激化する分、より他社との差別化が重要になってきています。
しかしながら、インターネット上ではあらゆる製品・サービスがあふれ、機能面を打ち出してもよほど明確に他社の製品・サービスとの違いがあるものでなければ、かえってそうした機能を訴求してもユーザーにとってはあまりメリット感が感じられないものになってしまいます。そのような競争の激しいインターネット広告市場においては、「デザインによる差別化」がユーザーの行動に大きな影響をもたらす要因になります。
デザインによる差別化が重要になる分、当然ながら、企業のデザインへのこだわりも増していきます。また、同時に、企業からの依頼を受け、web制作を受託で行うような制作会社の場合では、クライアント企業ごとに求めるデザインや品質レベルも異なるため、クライアント企業のニーズに対してのデザインのあたり所を見出していくことにこれまで以上に時間を重ねた検証も必要になってくるでしょう。
それらの検証をスムーズにするためにも、先にお伝えしたマーケティング発想が重要になってきます。より具体的な情報としてユーザーの行動やニーズを捉えることができていれば説明力の高いデザインでクライアント企業の納得も得られることができるでしょう。
また、デザインの品質における考え方として、如何に「売り」を意識したデザインができるかという点が重要になります。訴求ポイントが早い段階で伝わるようなキャッチコピーの視認性やコンバージョンしやすいボタンデザインなどがそういった「売り」を意識したデザインのひとつになるでしょう。
その一方で、売りだけでは、商品やサービスの魅力を伝えられません。そのために、その製品・サービスの独自の価値が落とし込まれたブランディングイメージも的確に伝えていく必要があり、「売り」と「ブランディング」という矛盾する二つの方向性を両立させていくということもまた重要になってきています。それらがデザインで差別化するということにも自ずと結びついていきます。
グラフィックデザイン的発想
前述のように、webデザイナーは「売り」と「ブランディング」という両方を意識する必要が高まっています。そのような時代背景においては、特に「ブランディング」という意味では、webデザイナーにもグラフィックデザイン的発想が求められているように思います。
グラフィックデザイン的発想とは、雑誌や電車広告のようなワンビジュアルの広告に代表されるビジュアルの作り込みや強み、あるいは、雑誌やパンフレットで鍛えられる文字組の精度などが例えとして言えるかと思います。そのような意味では、webデザイナーとしては、グラフィック広告を研究したり、そうした広告を常に意識して観察する必要があるでしょう。
一方で、これからwebデザイナーに転向する、もしくはwebデザインの仕事も増やしていきたいと考えているグラフィックデザイナーの方はそうした経験を生かすことで、グラフィックデザイナーならではの視点を生かしたwebデザインができるという強みがあるかと思います。
広告の受け皿としてのwebサイトやランディングページの重要性が日増しに高まる中で、ワンビジュアルの強みがあれば、ユーザーの気持ちをぐっと掴むことができます。webデザインの世界においては、ユーザーが最初に見る画面「ファーストビュー」の出来不出来がその後のページ内でのユーザーのアクションを決めるため、その意味でもビジュアルデザイン力は非常に重要になります。
また、紙の広告とは違い、webの世界では、ブラウザごとにフォントの種類や改行なども異なるため、文字組自体に意味があるのか?を思われる面もありますが、ファーストビューをはじめたとしたコンテンツなどでの主要なキャッチコピーなどは画像で文字組みをすることも多いため、文字組がうまいほどに必然的に良いビジュアルを作りやすいと言えます。
動画の活用と見せ方の検証
昨今ではyoutubeをはじめとした動画広告の需要が非常に伸びています。文字や画像だけよりも動画のほうがよりスピーディに情報が伝わりやすいという利点があるからでしょう。
また、動画を活用することで、ユーザーが疑似体験をしたような気分にもなれるため、製品・サービスの魅力を試してもらえるといった側面でも動画は有効かと思います。
webサイトやランディングページにおいても、動画を組み込んだページが実際に増えているかと思います。そのため、動画を全体のwebデザインの中でどうやって効果的に組み込み、見せていくのか?そういった視点もこれからのwebデザインにおいてはより重要になるでしょう。
現状は動画が重いという通念があるため、表示速度という観点から懸念される場合もありますが、今後5Gに切り替わることより、表示速度が劇的に早くなればより動画を活用したweb広告の制作というニーズもさらに増していくと思います。
5Gで変わるデザイン
2020年に通信会社各社がサービス開始を予定している次世代ネットワークである「5G」。5Gが登場すれば先に挙げたような動画を絡めたwebページのデザインが増えることはもちろん、これまで画像が多いサイトは極力画像を圧縮するなどの表示速度を遅らせないための手間をかけていましたが、5Gの登場により画像の重さを意識せずにデザインができるようになれば、その分、リッチなデザインを行う企業が増え、ビジュアルの装飾や作りこみへの重要性も変わってきます。
また、スマートフォンデバイスもより重要視されるようになるでしょう。
たとえば、現状BtoBビジネスにおいては、多くのユーザーが業務時間中に情報収集するために、PCが主体のデバイスと言われていますが、職場でやり取りする大きなデータも問題なく個人のスマホでやり取りできるようになり、スマホでより情報収集する法人企業の担当者も増えてくるかもしれません。
その場合はBtoBビジネスにおいてもこれまで以上に、スマートフォンによるwebサイトやランディングページのデザインが重要になります。
また、高速回線を生かしたアイデアや制作ツールが強化されていくことによっても、現時点では想定できないこれまでとは違った形態のコンテンツが広がっていく可能性もあります。そうした動向の変化も細かく見ていきたいところです。
コンテンツ設計にも関わる
マーケットや制作環境も複雑化する中で、デザインに対する要求度も上がってきます。つまり、設計図通りにデザインすれば、ユーザーの心を動かす良いデザインになるわけではないと言うことです。
そのような観点から言えば、デザイナーであっても、ある程度、自らシナリオやコンテンツ設計ができるデザイナーになっておくということは非常に強みになります。
しかしながら、それができればベストですが、webサイトやランディングページの企画構成は元来webディレクターやプランナー領域の仕事であるため、webデザイナーはデザインに時間をかけなければいけません。そのため、そのような企画領域まで踏み込もうとすることは時間的にも非常にハードルが高い面もあります。
ですから、出来上がった指示書や設計図に対して、本当にそのシナリオや指示通りにデザインすれば、成果をあげるデザインを生み出すことができるのか?という視点を持つことがまず大事だと思います。
そのためには、そもそもの取り組みの目的への理解、製品・サービスへの理解、ユーザーへの理解、さらに上記に伝えてきたようなマーケティングや環境の変化に対する理解など非常に幅広い面で、デザインの前段階での情報収集が必要となります。すべてを理解することができなくても、そのような意識を持ってデザインに臨むだけで、デザインをしながら、シナリオやコンテンツに対するアイディアも生まれてきます。
また、役割上自分自身で企画設計するところまで及ばなくても、企画や設計が生まれる会議などの現場にも積極的に参加する意思を持つことで、デザインへの取り組みも変わってくることと思います。
まとめ
変化するwebマーケティングの世界において、いくつかの切り口で、webデザイナーに求められることがどういったものであるかと考えてみました。
もちろんここに書いたテーマをすべて勉強し、深く理解できて、実践できる人など現実にはそういません。
ただ、テーマを絞りながら、自分では解析ツールは使いこなせなくても内容を理解する。クライアント企業の商材への理解を深める。競合他社の動向やwebサイト、ランディングページをチェックする。そうしたアクションを一つでもはじめながら、現状の知識レベルやスキルをブラッシュアップし、新たな知見やスキルを獲得していく動きをしていくことが次のステップへとつながっていきます。
変化していく時代に、一歩踏み出せるか。そうすることで、webデザイナーとしての未来も変わってきます。
今回の記事では、概念的な面も多いのですが、マクロ的に捉えた時の大きくどのような指針をwebデザイナーとして持つべきについてまとめてみました。
また、最後に、ご案内となりますが、コンバージョンラボでも「新しい領域でwebデザイナーとしてのキャリアを高めたい。」そのようにお考えの方と一緒に仕事をしたいと考えていますので、もし、ご興味がありましたら応募いただければと思います。
マーケティングの最前線で数多くの業種に関わりながら、デザインに集中できる環境をご用意しています。
▼webデザイナー募集はこちらから
https://postscape.jp/designer/
▼お問い合わせ等は、こちらからお気軽にご連絡ください。
https://postscape.jp/contact/
-
2023.9.29 LPデザイン制作の改善
-
2013.12.27 LPデザイン制作の改善
-
2016.1.25 LPデザイン制作の改善
-
2013.5.1 LPデザイン制作の改善