KAIZEN REPORTブログ
2019.2.26 | LPデザイン制作の改善
ランディングページ制作に欠かせない競合LP調査
競合LP調査とは
多くの企業がインターネット広告に力を入れている昨今、あらゆる業種・業界でランディングページを作成し、コンバージョン・売上を上げている企業が多くなっています。
この流れはしばらく続き、WEBマーケティングにおける競争はますます激化していくと予想されています。
そのため、新たにランディングページを制作する場合や既存ページのランディングページを改善する場合にも、競合製品が多い=比較対象が多いマーケットほど、しっかりとコンバージョンを獲得するために、それぞれの競合のLPがどのような打ち出しやコンテンツになっているかを調査し、それに負けないLPやコンテンツを制作することが必要になります。
ただし、ランディングページの事前調査と一口に言っても、様々な調査方法があります。
たとえば、そもそも想定したキーワードを軸としたランディングページを制作しようとした場合に、実際にユーザーが検索しているマーケットがどれくらいの規模感であるかを把握するための「キーワード調査」や、既存のランディングページをリニューアルする場合に、どのようなユーザーが流入し、どのようなコンテンツが見られているかといったことを把握するための「ページ分析」など、多様な側面から情報リサーチをする必要があります。
今回の記事でご紹介する調査は、「競合ランディングページ(LP)調査」です。
「競合LP調査」とは、一言で言えば、自社の商品・サービスの競合となる製品を提供している他社のランディングページを調査することです。
競合調査の目的は、マーケットの全体像を把握し、そもそも自社の商品・サービスが現在どういった立ち位置なのかを見極め、ランディングページを設計・改善する上で、他社製品との差別化ポイントを見つけることやコンテンツに漏れがないようにするため、あるいは、他社がどのようなデザインを行っているかを把握することになります。
ランディングページの価値は、流動的に変化する
競合調査の目的は、マーケットの全体像を把握し、そもそも自社の商品・サービスが現在どういった立ち位置なのかを見極め、ランディングページを設計・改善する上で、他社製品との差別化ポイントを見つけることやコンテンツに漏れがないようにするため、あるいは、他社がどのようなデザインを行っているかを把握することになります。
ここで注意したいのが、競合他社も日々、変化を続けているということです。
ユーザーは常により良い選択肢を探し、比較・検討を継続的に行っています。市場の規模が一定の場合、競合他社の訴求力が高まると自社のランディングページの訴求力やパフォーマンスは相対的に低下してしまいます。そのため、競合調査を行うのは制作時だけでなく、運用中にもタイミングを見て行っていく必要があるのです。
前述の通り、Web上にはたくさんのランディングページが存在しています。他のランディングページと差別化を図るために情報量を多くしたランディングページや、デザインにこだわったランディングページなど、様々なページが存在しています。そのようなページと差別化を図り、かつ、コンバージョンを獲得するためにも競合調査を行い自社製品・サービスの立ち位置を知り、ランディングページを制作・改善していくことは重要な作業です。
今回の記事では、そうした競合LP調査の方法やポイントをご紹介いたします。
競合調査を始める前に情報を整理する
いざ競合調査を始めようとしたとき、何も考えずに取り掛かることはかえって時間の無駄になってしまう可能性があります。競合調査を始める前には以下の点に注意して取り組んでいきましょう。
A)競合調査を行う目的を明確にする
B)検索するキーワードを決める
C)閲覧するデバイスを決める
A) 競合調査を行う目的を明確にする
競合調査を行う際には、まず競合調査を行う目的を明確にしておきましょう。競合調査を行う主な目的としては以下のような理由が挙げられると思います。
・これからランディングページを制作したいので、その参考にしたい
・コンバージョンが良くないのでランディングページを改善したい
動機は確かにそうですが、これでは漠然とした状態での調査になるため、見るべきポイントを絞れません。そのため、もう少し踏み込んで目的を明確にする必要があります。
仮に、ランディングページの改善のために競合調査を行う場合、どのような改善を行いたいかの方向性を定めておくことが大切になります。
例えば以下の問題点がある場合はどうでしょうか。
例)ユーザーのファーストビューの注目度が高いけれど、ファーストビュー内のコンバージョンボタンがあまり押されていない
このような場合、ページ終盤のコンテンツに手を加えることは、改善施策としてふさわしくないかと思います。このような課題によりマッチしそうな改善施策としては、「ファーストビューのデザインやキャッチコピーの変更」や「コンバージョンボタンのデザインやオファー内容の変更」が挙げられるかと思います。
そのため、「競合ページがどのようなファーストビューでどのようなコンバージョンボタン(ボタンのカラー、オファー内容)なのか」を調査することが明確な目的になります。
このように、ランディングページを改善したいという目的から一歩踏み込んだ目的まで明確にしておく必要があります。
他にも目的としては、大まかなものも含めて以下のようなものが考えられます。
・そもそも競合自体があるのか、多いのか少ないのかを知りたい
・競合他社のランディングページ上のコンテンツの全体像を把握したい
・競合他社のランディングページのデザインを知りたい
・競合他社の製品・サービスの価格を知りたい
・競合他社のランディングページの入力フォームの取得項目を知りたい
など目的に応じて様々に考えられます。
B)検索するキーワードを決める
競合調査を行う目的を明確にしたら、競合ランディングページを収集する際の検索キーワードを決定します。自社の商品・サービスがユーザー側にどのような検索キーワードで検索されているのかを広告運用データなどをもとに設計しておきましょう。また、検索キーワードについては、単ワードで検索されることは少なく、複数のワードを組み合わせて検索されることが多い傾向にあります。
例えば、皆さんが化粧品(美容液)を購入したいとき、「美容液」というキーワードだけを検索窓に入力し検索することは少ないと思います。実際には、「美容液+ 乾燥」「美容液 + ブランド名」「美容液+ 30代」など複数の言葉を組み合わせて検索するかと思います。
写真のように、「美容液」で検索してみると「美容液 おすすめ」「美容液 人気」などが検索サジェストには表示され、ユーザーの多くは複数ワードを組み合わせて検索していることがわかります。
そのため、自社の商品・サービスがどのように検索されているのかを把握・仮定し、検索キーワードを決めるようにしましょう。
キーワードの検索ボリュームを調べる方法は様々です。
参考情報として、いくつかご紹介しておきます。
■Google トレンド
https://trends.google.co.jp/trends/
■Google AdWords キーワード プランナー
https://adwords.google.co.jp/KeywordPlanner
■yahooプロモーション広告 キーワードアドバイスツール
http://promotionalads.yahoo.co.jp
C) 閲覧するデバイスを決める
検索キーワードを決定したら、どのデバイスで競合調査を行う必要があるのかを決定しておきましょう。デバイスを決めるという意味は、自社の商品・サービスが「スマートフォン」から検索されやすいか、それとも「PC」から検索されやすいかを把握・仮定しておくということです。
例えば、健康サプリメントを販売しているページなら、お客様は一般のお客様となり「スマートフォン」からのランディングページの訪問が多いと仮定できます。
一方で、システム管理ツールなどの商材を扱っているページの場合、法人のお客様となり「PC」からのランディングページへの訪問が多いと仮定できます。
このように、自社のランディングページがどのデバイスからのページへの訪問が多いのか把握・仮定しておくことで効率的に競合調査を行うことができます。
ランディングページマーケティングの世界では、一般的には、BtoCの場合は、スマホのランディングページに力を入れ、BtoBの場合は、PCのランディングページに力を入れることが主要な傾向かと思います。
競合調査におけるポイント
競合調査を始める前の情報を整理できたら、競合調査を始めていきましょう。ここでは、競合調査を行う際の3つのポイントをご紹介します。
3つのポイント
A) 網羅性を重視する
B) 競合ページをグルーピングする
C) 深度を深める
A) 網羅性を重視する
検索キーワードを決定したら、競合ランディングページの情報を収集していきましょう。自社の商品・サービスのマーケットに存在する競合ランディングページを漏れがないようにリストアップするように気をつけて取り組むようにしましょう。競合ランディングページを漏れなくリストアップすることで、自社の商品・サービスがどのような立ち位置なのか把握することができます。
そして、競合ランディングページをリストアップする際は、競合ランディングページの「訴求軸」「特長」などをExcelなどで一覧形式でまとめるようにしていきましょう。一覧形式でまとめることで、他の人が見ても理解でき、また、自身が見返した時にも役に立ちます。図はまとめ方のイメージです。
また、競合ランディングページを収集する際は、時間帯や曜日を分けて収集するように心がけることが大切です。
競合ランディングページの広告の運用方針による時間帯や曜日における配信の強弱の設定、複数ページを活用した検証などを行なっているケースがあるため、1日のみの競合ランディングページの収集ではなく、異なる時間帯・異なる曜日で調査していくようにしましょう。
B) 競合ランディングページをグルーピングする
競合ランディングページをもれなくリストアップしたら、競合ランディングページをグルーピングするようにしましょう。先ほど、一覧形式でまとめた中から同じ「訴求軸」や同じ「特長」を持つ競合ランディングページをそれぞれグルーピングしていきましょう。グルーピングする際の軸としては、「訴求軸」「特徴」だけではなく、商品・サービスの「価格帯」など、ユーザーの購入決定要因になる軸でグルーピングしていくといいでしょう。
例えば、化粧品を販売するランディングページなら、「ハリ・コシ、さらさら髪」といった訴求軸や、価格帯がユーザーの購入の決定要因になります。この決定要因である訴求軸、価格帯でそれぞれ分けてグルーピングすることで、競合ランディングページの中で、最も自社の商品・サービスに似ているページを発見することができます。
C) 深度を深めていく
競合ランディングページの中で、自社の商品・サービスに最も近い商品を扱うランディングページを見つけたら、次はその競合ランディングページを深掘りしていきます。
深掘りしていく際には、その競合ランディングページがどのような構成になっていて、何を伝えているのかに着目して調査していきます。そして、深掘りしていくにあたって以下のステップで進行していくようにしましょう。
C-1) セクションごとに分解する
競合ランディングページをセクションごと(セクションとはコンテンツの塊)に分解していきます。ランディングページには「お悩み」「選ばれる理由」「商品・サービスの特長」などいくつものセクションで構成されています。そのため、まずは競合ランディングページがどのようなページ構成で構築されているのかを洗い出していきます。
競合ランディングページの構成を洗い出すことで、競合ランディングページの全体像が見えてきます。また、構成要素を分解するだけではなく、競合ランディングページがどのようなストーリー設計で情報を伝えているのかにも着目しておきましょう。
競合ランディングページのストーリー設計を把握することで、より競合ランディングページの良い部分を理解することができます。また、競合ランディングページのどのようなストーリー設計に魅力を感じられるかユーザーの目線に立って考えてみることも大切です。
C-2) 構成要素を抽出する
競合ランディングページを分解したら、そのセクションをさらに深掘りしていきます。ランディングページの改善の目的が「ファーストビューの見せ方の変更」の場合、ファーストビューを構成している要素を細かく抽出していきましょう。
ファーストビューには、「メインキャッチ」「商品・サービス写真」などのメインの構成要素の他にも、背景写真や訴求軸などサブ的な要素を用いて構成されています。このような細かい内容まで気を配ることが大切です。
特にユーザーはファーストビューの良し悪しで、ページをスクロールするか否か(ページに興味がでるかどうか)を決定しています。ファーストビューの出来がコンバージョン獲得に影響すると言っても過言ではないため、慎重に調査・分析を行う必要があります。
C-3) 比較検証する
抽出した後は、競合ページのセクションを構成する要素と自社のランディングページの要素を改めて比較してみましょう。比較することで、自社のランディングページにはない要素を発見することができます。
例えば、競合他社の持つ強みに対して、自社ではどの立ち位置にいるのか。差別化するためにはどのような訴求するべきなのか、自社の強みを踏まえて置き換えることは可能なのかどうか検討することで同じ強みでもより良い訴求となります。
そして、比較した際に自社にはない要素こそが自社のランディングページに足りないもので、競合ページの良い所なのかもしれません。
なので、調査を通して得た内容を参考に、最初に決めた競合調査の目的に活用していきましょう。
まとめ
今回の記事では、競合LP調査を始める前のポイントや、競合LP調査を行う上で大切なポイントについてご紹介しました。目的の明確化や検索キーワードの設定などの工程を怠ってしまうと、焦点がぼやけた競合LP調査になり、ランディングページの制作・改善にとって有効でない調査になってしまう可能性があります。
そのため、漠然とした形で取り組むのではなく、ポイントをおさえて競合LP調査を実施する必要があります。そうした調査により得られた情報を活用して、より質の高いランディングページの制作・改善が可能になります。
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