KAIZEN REPORTブログ

2016.10.21 | LPデザイン制作の改善

ランディングページ改善運用の基本的な考え方

ランディングページ改善運用の基本的な考え方メインビジュアル

 

ランディングページを制作し、運用を開始しても、すべてのランディングページが期待通りの成果をあげられるとは限りません。

すぐに成果に直結するケースもあれば、そうでないケースもあるでしょう。

 

ランディングページは業界のトレンドや、競合他社の影響を受けやすい面もあるため、はじめは成果が出ていても、急に成果が鈍化することもありえます。

また、最初に設定した仮説とは異なる仮説や訴求内容が必要になることが運用後の分析結果からわかることも多々あります。

 

そのため、ランディングページの初期制作に力を入れることはもちろん大事ですが、制作後の分析や改善に注力することはより成果を高めていく上で非常に重要です。

 

特にここ数年はさまざまなクライアント様から制作後の分析・改善・運用についてのご依頼を受けることが増えていることからも、以前に増して多くの企業が分析や改善・運用を重視するようになっていることを実感しています。

 

一方で、改善施策を行ったからといって、必ずしも成果に結びつくわけではありません。改善施策がプラスに働く場合もあれば、マイナスに働く場合もありえます。

 

何かしらの変更を行うということは、必ずリスクとリターンの関係があるということを、踏まえておく必要があります。CV改善を見込んでの改修が、かえって悪い結果をもたらす可能性もありえるからです。

 

そこで、今回の記事では、改善施策を間違えないための、ランディングページ改善における基本的な考え方について、一部ですが、ご紹介したいと思います。

 

 

前提条件を整理する

 

ランディングページは縦長であるため、通常のWEBサイトと比較すると、改修箇所の候補がどうしても多くなってしまいます。そのため何をどのように改善したらいいかわからず、悩んでいる方も多いのではないかと思います。また、やみくもに改善しても求める成果は得られません。

 

ですから、まずその改善の目的など、前提となる条件を整理することがポイントです。そうすることで、自ずと改善の方向性が決まってきます。

 

ランディングページ改善のための前提条件例

 

当たり前のことのように思えますが、改善の目的を定めずに、ただコンバージョン数を増やしたいということでやみくもに改修を考えてしまうことも案外多いのです。

 

 

計測ツールによる分析を行い、ボトルネックを抽出する

 

WEBマーケティングでの成果を高めるためには、客観的なデータに基づいたランディングページの分析が必要不可欠となります。

 

流入経路による効果の違いや性別・年齢といったユーザー属性を確認できるGoogleアナリティクスによる現状分析や、ヒートマップツールを用いた既存LPのコンテンツ・情報設計から読み取れるユーザーニーズの把握など、分析方法は多岐に渡ります。

 

それぞれのツールを用いた分析方法は以下の記事で紹介しておりますので、よろしければこちらもご参考ください。

 

ランディングページ改善(LPO)に不可欠なGoogleアナリティクス分析

https://conversion-labo.jp/report/analyze/7849/

 

ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント

https://conversion-labo.jp/report/lp_design/6508/

 

 

具体的な改善施策を考える

 

方向性が定まったら、次は具体的にどのような改善を行うかを決定します。

先ほどの例では、このような改善方法が考えられます。

 

ランディングページ改善の施策例

 

では、実際に弊社が改善・運用を担当させていただいている、骨董品買取サービスを行っている企業様を例に見てみましょう。

 

◎改修事例 — 骨董品買取サービスA様ランディングページ ー

 

本ケースではPC版とスマートフォン版のランディングページを制作しました。

制作段階では、想定される年代も考え、PCから査定フォーム経由の獲得パターンがメインだと考えていましたが、運用を開始すると、意外にもスマートフォン経由の査定フォームの問い合わせや電話やLINE経由による問い合わせが非常に多いことがわかりました。

 

そのため、獲得効率のいい、スマートフォン側のランディングページにより多くのユーザーを誘導する、という前提条件のもと、PC側のランディングページに着地したユーザーを、そのまま離脱させず、スマートフォン側のランディングページやレスポンスデバイスに、誘導する施策を行いました。

 

具体的には、

1.PC側のランディングページのCTAにLINE査定やスマホ査定フォームへと誘導するQRコードの追加

2.PC側のランディングページのCTAにスマートフォンでそのまま電話ができるよう

電話番号を大きく目立たせたレイアウトに変更

 

骨董品買取ランディングページ改修事例

 

これにより、電話の問い合わせはもちろんのこと、LINEや査定フォームからの問い合わせが増大しました。このように、前提条件をもとにしっかり定めることで、改善の方向性や、行うべき作業が見えてくるため、より確度の高い、改善施策を行うことができます。

 

 

改善作業にかけられる時間を把握する

 

また、どのような改善を行う際にも考慮しないといけないのが、改修の作業にかけられる時間です。ランディングページを改修後、しっかりとした検証期間を設け、ある程度のまとまったデータを蓄積することで初めて、PDCAサイクルを回せていると言えるでしょう。

 

そのため、改修作業はなるべくスピーディーに行う必要がありますが、ランディングページに限らず、WEBページの改修には、思ったよりも多くの時間がかかります。

 

わかりやすい例で言えば、写真をたった1枚差し替えるだけでも、複数の工程を踏む必要があります

 

ランディングページ修正工程

 

実際の改修場面ではより多くの変更箇所が想定され、また、その都度確認や修正の工程も増えるため修正にかかる時間を想定しておかないと、いざ検証しようとした時に期間が短くなり、必要なデータがためられないといった可能性もありえます。

 

目的に応じた改善をするためにはどんな作業が必要となり、どのようなフローで行うのかを関係者間で共有した上で、改善のレベルを決める必要があります。

 

最近では改善のスピードを上げるために、LPOツールなどを使用している企業様が多くなっているように思います。

実際に、弊社でも作業スピードを上げるために、CVX「シー・ブイ・エックス」という自社開発したLPOツールを使用しています。CVXは画像の入れ替えやテキストの編集が手軽に行えるため、ページの更新性を促進することができるツールとなっております。

 

CVXを詳しく知りたい方はこちら

 

少し話が脱線しましたが、実際の作業に必要な時間と、検証に必要な時間とのバランスを見ながら、最適な改善施策を見つけていくことが重要になります。

 

なお、改善作業そのものにかかる時間だけでなく、改善を行うタイミングも大切です。

あまりに短期間に改善を繰り返しても何が良くて何が悪かったのかを検証できない場合があるからです。

流入数に応じて検証期間も変わりますが、一定の期間がなければ、それなりの数値の変化というものが見定められません。

 

最適な期間はそのランディングページと流入数等によっても変化するので、一概に最適な期間は定められない点はあり、明らかな数値の変化があるなら、1〜数週間の見定めで良い場合もあれば、最低でも1ヶ月は検証が必要な場合もあります。

 

では、ランディングページにおいて「結果が出た」と判断するにはどうしたらいいのでしょうか。

大きく分けると「セッション数」と「コンバージョン率の差」この2つが判断を判断目安になりえるといえます。

 

(1)セッション数

 

セッション数(アクセスしたユーザー数)が少ない状態では、「数少ない内の1人が反応したか否か」や「たまたま途中で離脱した人」といった些細な誤差が結果に影響を与えてしまいます。そのため、判断するにはセッション数を増やし、誤差の影響を少なくすることが結果の判断基準になりえます。

 

(2)コンバージョン率の差

 

比較しているテストのセッション数が蓄積されていない場合でも、CV数に倍以上の差があるなど、大きな数値の差が出た場合は、その時点でテストを終了し、次のテストに移行するなどの判断も可能となります。

 

 

ランディングページの改善は、2種類ある

 

先に述べたとおり、どのような改善にも必ずリスクがついてきます。実施したい改善施策がどのようなメリット・デメリットがあるのか、しっかりと理解することが重要になります。

 

目安としてですが、ランディングページの改善は、大きく2種類に分類することができます。「大きい改善」と「小さい改善」の2種類です。

 

大きい改善

 

大きい改善は複数のコンテンツの改善、デザイン的なデザインテイストの変更、場合によっては前提となる訴求内容に至るまで、大規模かつ広範囲にわたって改修を行う、いわゆるリニューアルのようなものもあります。目標のコンバージョン率と実際のコンバージョン率との乖離があまりに大きく、数字が伸びる見込みが少ないと判断した場合に行われることが多いです。

 

大きい改善

 

大きい改善のメリット・デメリット

 

改善内容が大きくなればなるほど、条件変更するものが多くなるため、改善後のランディングページが、既存のものよりも品質の高いものになっていれば、期待されるコンバージョン率の改善も大きなものになる傾向があります。

 

一方で、改善方法を間違ってしまい、既存のランディングページの品質を超えることができなかった場合、これまで獲得できていたユーザー層も離れてしまい、コンバージョン率が激減するリスクもあります。

そのため、いきなり全体を変更したものに一本化するのではなく、

A/Bテストなど様子を見てから切り替えるという判断も必要な場合があります。

 

小さい改善

 

一方、小さい改善は前提となる訴求内容や全体のデザインルールなどはそのままで、部分的な改修を行うものになり、単一の条件を変更して改善の効果検証行う、スピードを重視したA/Bテストなどでよく用いられる手法になります。

目標となるコンバージョン率と実際のコンバージョン率との乖離が少なく、まだ数字を伸ばす余地があると判断した場合に行われることが多いです。

 

小さい改善

 

小さい改善のメリット・デメリット

  

部分的な改修を行う場合、条件変更の数は少ないため、改善のインパクトは大きい改善ほどは期待できず、効果検証に時間がかかる傾向があります。

 

しかし、改善後にコンバージョン率が激減するようなリスクは少なく、改善の方向性を間違っていなければ、コツコツと数字を上昇させられる傾向があります。

なお、そのようにコツコツとした数字の上昇に適した小さな改善は、継続することもひとつのポイントと言えます。

 

大きい改善と小さい改善のメリット・デメリットを天秤にかけながら、それぞれのランディングページに最適な改善施策を実施することが重要となります。

 

 

最後に

 

ランディングページの改善について、実例も交えながら、紹介させていただきましたが、実際には、改善するランディングページによって、ふさわしい改善施策は異なりますので、内容に応じて、都度最適な改善施策を行うことが必要になります。

 

今回はコンバージョン率を向上させるためのランディングページにおける改善の基本的な考え方を紹介させていただきました。

 

実際には、ヒートマップなどの解析ツールやGoogleアナリティクスなどを活用し、現状をしっかりと分析した上で、改善の方向を導き出す必要があります。そういった解析ツールの活用やABテストの方法なども重要なテーマとなりますので、改めて今後の記事でお伝えしていきたいと思います。