KAIZEN REPORTブログ
2019.3.29 | アクセス解析の改善
ランディングページ改善(LPO)に不可欠なGoogleアナリティクス分析
今回の改善レポートブログでは、「Googleアナリティクスの使い方」についてご紹介させていただきます。
Googleアナリティクスというツールの名前は、WEB業界やマーケティング業界に身を置く方なら、一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
GoogleアナリティクスとはGoogleが提供しているWEB解析ツールです。
解析対象となるページに流入したユーザーの年齢・性別といった特性や、ページへの流入導線(広告や自然検索など)といった情報を得ることができ、ページ改善の指標となるデータの抽出に大きな役割を果たします。
また、Googleアナリティクスは無料のツールであり、かつ、実装に難しい操作は不要で、タグを設置するだけで使用できるため、実に多くの企業・個人が自社ページへの導入を行っています。
今回の記事の本題に入る前に、Googleアナリティクスの導入方法についてを簡単にご説明いたします。導入のステップは主に、以下の2つとなります。
1) Googleアカウントを作成
まずは、Googleアナリティクスに登録するGoogleのアカウントを作成します。こちらは普段、GmailやAndroid端末の利用時に作成したものでも問題ありません。
ただし、会社で利用する場合は、個人のGmailで使用しているアカウント等での共有は難しいため、会社用のGoogleアカウントを新規で作成するなどの対応が必要になります。
2) Googleアナリティクスアカウントを作成し、トラッキングコードを取得
次にGoogleアナリティクスのアカウントを作成し、分析対象のサイトURLを入力しますと、「トラッキングコード」と呼ばれるタグをこちらで取得します。この「トラッキングコード」をサイト内に設置し、それがユーザーのデバイスによって読み込まれることで、Googleアナリティクスによるデータ計測を行えるようになります。
導入自体は簡単ですが、しかしながら、実際にGoogleアナリティクスを用いて、高度な分析を行えている企業は少ないのではないでしょうか。
弊社にお問い合わせをいただく会社様も、「導入はしているけど、活用はできていない」と悩んでいるクライアント様は少なくありません。
よく聞くつまずきポイントとして、以下の3点が挙げられます。
・そもそもの操作の仕方がわからない
・何のデータが必要なのかわからない
・欲しいデータにたどり着けない
Googleアナリティクスは欲しいデータに辿り着くまでにいくつかの手順・操作が必要であり、より詳細なデータを抽出したい場合には、その分複雑な操作・設定が必要になってきます。
ただ、Googleアナリティクスには説明書のようなものがあるわけではないため、欲しいデータにたどり着くことができずに、諦めてしまう方も多いです。
また、そもそも何のデータを見ればいいのか?改善にあたっての道筋が見えずに、Googleアナリティクスの使い方がわからないことで、挫折してしまう方も同じように多い傾向にあります。
このように、Googleアナリティクスは使いこなせればWEBマーケティングにおける心強い味方になりますが、使いこなすことができなければ、無用の長物と化してしまい、せっかくのデータが活用できないことになります。
Googleアナリティクスはランディングページ最適化だけでなく、WEBサイトの分析にも活用できますが、今回はそんなGoogleアナリティクスをランディングページの分析・改善・最適化(LPO)で活用するためにどうすればいいのか?主に必要とされるデータや、その抽出方法について、ご紹介したいと思います。
1.欲しいデータまでにたどり着くために最低限覚えておきたいGoogleアナリティクスの使い方
2.LPOで必要なユーザーデータとは?
3.ユーザー理解の深度を向上させる「セグメント機能」
欲しいデータにたどり着くために最低限覚えておきたいGoogleアナリティクスの使い方
Googleアナリティクスは何ページを対象としても無料であるため、一般的には、運用されているページすべてにGoogleアナリティクスを導入していることが多くなっています。
Googleアナリティクスでは分析対象となるページのデータをすべて累積するため、まずは「分析したいページのデータにたどり着く」ことが必要となります。
こちらがGoogleアナリティクスを開いた際にまず表示される画面です。
対象のランディングページを含んだドメイン配下のすべてのページのデータが含まれているため、対象のランディングページ単体の成果について判断することが難しくなっています。
ここから対象のランディングページのデータの抽出する方法をご紹介します。
まず、ページ左側に表示されているメニュー一覧から、「行動>サイトコンテンツ>ランディングページ」を選択します。
すると、広告の受け皿としてのランディングページを含めた、検索エンジンやSNS、メルマガ等を通してユーザーが最初に着地したページ「ランディング(着地)ページ」の一覧がセッション数の多い順で表示されます。
対象ドメイン配下のランディングページの一覧が出てきました。
この一覧から、対象ランディングページのURLを選択することで、はじめて対象ランディングページのみのデータを抽出することができます。
こうして、ようやく対象ランディングページのみのデータに到達することができました。
ここから期間や指標を自由に選択することができ、一定期間の推移でコンバージョン率やセッション数の増減を可視化することができます。
その増減が一時的(季節的)な要因なのか、ランディングページのパフォーマンスそのものが要因なのか、客観的に判断することができます。
なお、先ほどの図で表示されているデータは、対象ランディングページに流入しているすべてのユーザーのデータをまとめたものになるため、年齢別・性別・流入元別での成果を推し量ることはできません。
次の章では、より細かいデータを抽出するための方法と、一般的なランディングページ最適化(LPO)でよく活用されるユーザーデータについてご紹介します。
LPOで必要なユーザーデータとその抽出方法
ランディングページの改善で必要なユーザーデータは対象の商品・サービスによって異なりますが、一般的には以下のデータが有用であると言われています。
流入経路
→対象のランディングページで複数の広告媒体から流入をさせていたり、オーガニック検索やSNSなどを含めた、いくつかの流入が想定される場合には、どの流入経路とランディングページとの相性がいいのかを分析することができます。
特に、リスティング広告やディスプレイ広告、ネイティブアド(記事広告)、SNS型広告などの運用型広告においては、費用が発生しているため、媒体ごとのパフォーマンス=コンバージョン率が気になるところではないでしょうか。
2ページ目遷移
→あまり聞きなれないワードかもしれませんが、ことランディングページの分析・改善においてはとても大きな役割を持つデータとなります。
具体的には、「対象ページに着地したユーザーが次に遷移したページの傾向を把握したデータ」という表現になります。総流入のうち、何人のユーザーがどのページに遷移したかを示すデータであるため、ランディングページからフォームへの遷移率を知ることができます。
そのため、コンバージョン率が低いと思われていたランディングページが、実はフォームへの遷移率が高く、フォームの入力に手間取り、離脱しているユーザーが多かった。など、この指標だからこそ見えてくる傾向があります。
年齢/性別
→商材に応じて、幅広い年齢に向けたものもあれば、特定の性別・年代に特化したもの、法人向けのものなどがあり、ターゲット層は様々です。
そのようなときに、年齢や性別を軸に、対象ランディングページへのセッション・コンバージョン率・コンバージョン構成比率などを分析することで、実際にリーチしたユーザーや、成果に貢献してくれているユーザー像の検証をすることができます。
対象ランディングページにおけるユーザー属性を把握しておくことで、実施施策にズレがないかどうかという検証や、より成果を上げるために必要なユーザーのペルソナ像を突き詰めていくことにもつながります。
ランディングページの制作当初想定していたペルソナ像と異なる、意外なユーザー属性からのコンバージョン率が高い、といった発見があるかもしれません。
時間帯/曜日
→ユーザーが対象ランディングページに訪れる時間帯や一週間のサイクルの中で、どのタイミングでアクセスやコンバージョン率が増減するのかを確認することができます。
たとえば、平日の朝8時〜9時の時間帯で、スマートフォンからの流入が多ければ、「通勤途中の電車でページを閲覧しているかもしれない」といった、ユーザーの行動パターンのどのタイミングで見られているのかを知ることで、それを踏まえたコンテンツやデザインの改善も可能になります。
これらのデータはいずれもたった1つの操作で抽出することが可能です。
以下の図に記載している、対象ランディングページの「セカンダリディメンション」というボタンをクリックすると様々なデータの一覧が表示され、好きなデータを抽出することができます。
このように、Googleアナリティクスは無料の計測ツールではありますが、豊富な分析機能を使用でき、ランディングページのパフォーマンスの分析から改善施策の発掘に非常に重要な役割を持つため、ランディングページの最適化(LPO)には必須級のツールであるといえます。
ユーザー理解の深度を向上させる「セグメント機能」
Googleアナリティクスでは、先述のセカンダリディメンションとは別の方法で、ユーザーデータを抽出する「セグメント機能」というものがあります。
これは直訳すると「ユーザーの振り分け機能」であり、任意に設定した、特定のユーザーに絞ったデータのみを抽出することができます。
これだけ聞くと、セカンダリディメンションと同じような機能であるように思えますが、セグメント機能の最も大きな特長として、「異なるセグメント軸を掛け合わせることができる」点があります。
たとえば、「スマートフォンを使って、検索広告から流入しているユーザー」のデータを抽出したい場合、セカンダリディメンションでは「デバイス」「流入方法」のいずれかしか知ることができません。
しかし、セグメント機能では複数の軸を自由に組み合わせることができるため、該当のユーザー像のデータをピンポイントで抽出することができ、より深い分析を行うことができます。
こちらもセカンダリディメンションと同様に、よく使用されるセグメント軸はすでに用意されています。また、欲しいセグメント軸がない場合は、任意で設定することができます。
こちらは少し専門的な用語を理解する必要があり、本記事では割愛しますが、Googleアナリティクスのヘルプページなどを参考いただくのがいいかもしれません。
まとめ
今回はLPOにおけるGoogleアナリティクスの活用法にについてご紹介しました。
先述した通り、Googleアナリティクスはヒートマップ分析ツールと同じように、ランディングページ最適化(LPO)に不可欠なツールです。
より正確な分析・確度の高い改善を行うために、ぜひGoogleアナリティクスを活用し、最先端のWEBマーケティングを体感してください。
また、LPOに関するその他の方法や考え方等については過去記事でもご紹介しておりますので、よろしければ、あわせてご参考ください。
【参考:改善レポート記事】
ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント
コンバージョンしたキーワードを元にランディングページを改善する