KAIZEN REPORTブログ

2025.11.28 | LPデザイン制作の改善

ランディングページにおける写真の訴求力~成果を高めるビジュアル戦略~

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ランディングページ(LP)において、写真は最も直感的に情報を伝える要素のひとつです。
同じ内容のLPでも、写真の選び方や見せ方によって「伝わり方」や「信頼感」が大きく変わります。

ユーザーが最初に受け取る“ビジュアルの印象”を、LPとしてどのように設計すべきか?

この記事では、LPで成果を高めるために欠かせない「写真の役割」「選び方」「見せ方のポイント」や、実際の改善事例を整理して紹介します。

ランディングページにおける「写真の役割」とは

直感的に価値を伝える“最初の接点”

ランディングページ(LP)において、写真はユーザーが最初に触れる情報です。
ユーザーは数秒以内にページの印象を判断し、読むか・離脱するかを決めます。そのため、コピーよりも先に視界に入る写真は、ページの世界観や信頼性を直感的に伝える重要な役割を担います。

感情を動かし、行動につなげる

写真は「単なる装飾」ではなく、ユーザーにどんな気持ちを抱いてほしいか、どんな行動へつなげたいかを考えて選ぶ必要があります。目的(購買・資料請求・お問い合わせ)によって、適した写真の方向性も変わります。

意図のない写真は成果につながりにくい

「なんとなく見栄えが良いから置いた写真」では、LP全体のストーリーに馴染まず成果に結びつきにくくなります。どの写真がどんな心理効果を生み、どんな行動につなげたいのか。この“意味付け”が成果を左右します。

ランディングページにおける「写真の役割」とは

写真の選び方で変わる印象と成果

適切な写真は“信頼”と“リアリティ”を生む

写真選びはLPの成果を支える重要なポイントです。
よく見る「いかにも」な素材を使うと、ユーザーは無意識に「広告っぽさ」を感じ、信頼が弱まることがあります。
一方で、サービスに合った表情やシーンを選ぶことでリアルさが増し、「このサービスなら安心できそう」と感じてもらいやすくなります。

「何を・誰に・どう見せるか」を明確化する

制作時には以下の3点の整理が不可欠です。

・何を伝えたいのか
・誰に届けたいのか
・どのように見せたいのか

写真はページ内のストーリーをつくるパーツのひとつ。背景として“ただ置く”のではなく、「成果につながるビジュアル」として役割を持たせることが大切です。

目的別・写真の使い分けポイント

LPの種類によって、適した写真表現は異なります。

商品LP:質感と使用イメージで購買意欲を高める

・素材の質感
・光沢、テクスチャ
・実際に使っている様子

「自分が使う未来」を自然と想像できる写真は、購買行動を後押しします。

サービスLP:表情や動作で安心感と信頼をつくる

・スタッフの表情
・利用者の自然なリアクション
・サービス現場のリアルな様子

人物のリアルな様子が“安心できそう”という気持ちにつながります。

採用LP:働く姿が伝わる写真が鍵

・社員の自然な表情
・オフィスの空気感
・働き方が視覚的に理解できるカット

求職者は「働くイメージ」を重視するため、現場の温度感を伝える写真のリアリティが応募率に大きく影響します。

目的別・写真の使い分けポイント

写真の見せ方で訴求力を高めるデザインテクニック

写真×レイアウト×コピーの“連動”がポイント

どれだけ良い写真でも、見せ方が合っていなければ力を発揮できません。

特にファーストビューでは以下の調整が重要です。

・視線誘導(例:人物の目線 × コピーの方向)
・余白のバランス
・メインメッセージとの一体感

色調統一でページ全体の世界観を整える

Photoshop等のツールを使用して以下を調整すると統一感が生まれます。

・明るさ・コントラスト
・色相・彩度
・トーンの統一

ページ全体のトンマナを揃えるだけで、写真の訴求力は大きく変わります。

トリミングひとつで印象は変わる

構図の見せ方(寄り / 引き)や余白の設定によって、写真が届ける情報量や印象は大きく変化します。
写真の力を最大化するためにどのような構図で配置するかを意識できるといいでしょう。

写真の質を高めるための実践ポイント

ポイント1 自社撮影の場合:使用箇所を想定して撮る

・LP上のどのセクションに使うのか
・どんな構図が必要か
・どのトーンで統一するのか

これらを事前に決めて撮影すると、その後の制作がスムーズになります。

特に構図、被写体との距離感、光の方向などは印象を大きく左右しますので、事前に参考サイトなどを探して撮影イメージを具体化してみると良いでしょう。

ポイント2  素材写真の場合:トーンと空気感の一致が必須

素材写真を使う場合は、商材の世界観とトーンが一致するものを選びます。
合わない場合は、レタッチによるトーン調整を行うことで整合性を高められます。

ポイント3  AI生成画像の活用:理想のシーンを実現する手段

近年、AI画像生成は以下の課題解決に有効です。

・理想のシーン写真が素材サイトにない
・撮影コストを抑えたい
・特定の構図を短時間で生成したい

ただし、人物写真は表情や手の形状、背景の一貫性など、「違和感」が出やすい傾向があるため、最終的なレタッチ・トーン調整を行い、実写と馴染ませるようにしましょう。

写真の質を高めるための実践ポイント

写真変更で改善効果があった事例

リアリティが信頼を生み、成果改善につながったケース

1.妊活用サプリメントのLP

妊活用サプリメントのLPにおいて、ファーストビューに素材画像を使用していたものを実際にサプリを利用したユーザーの撮影写真に変更してA/Bテストを実施したところ、スクロール率が約1.5倍改善し、離脱防止に効果があったという事例があります。

妊活用サプリメントのLP

2.女性専門発毛クリニックのLP

女性に特化した薄毛治療専門クリニックのLPにおいて、ファーストビューに素材画像を使用していたものを、クリニックで働く女性ドクター/スタッフの写真に変更してABテストを実施したところ、CVR改善に効果がありました。

女性専門発毛クリニックのLP

生成AIを活用した画像でCVRを改善させたケース

エアコン修理のLPで、ファーストビューに作業員をイメージした素材画像を使用していました。ユーザー調査を実施したところ、作業員の印象によってCVRが変わる可能性があることが分かり、よりユーザーから好感をもたれそうなモデルイメージを生成AIで制作しA/Bテストを実施したところ、電話問い合わせのCVRが約1.2倍改善するという結果になりました。

エアコン修理のLP

まとめ:写真ひとつでLPの伝わり方は大きく変わる

写真はLPの第一印象をつくり、ユーザーの感情や行動に大きく影響する要素です。
コピーやデザインと同じように、「誰に・何を・どう伝えたいのか」を意識して写真を選ぶだけで、LP全体の説得力はぐっと高まります。

また、写真は“整えるだけで成果につながりやすい”改善ポイントでもあります。写真の変更によるユーザー行動の変化はA/Bテストを用いて、CVR・スクロール率等で比較検証することで、「なぜ成果が上がったのか」を可視化できるといいでしょう。

感覚ではなくデータに基づく“改善検証”こそが、継続的な成果向上を支える鍵となります。
A/Bテストやヒートマップでユーザーの反応を確かめながら、
少しずつ最適な見せ方を積み重ねていくことで、安定した改善が実現できます。

写真を戦略的に扱うことで、LPはより伝わりやすく、信頼されやすいものになります。これからの制作や改善の際に、ぜひ参考にしてみてください。