KAIZEN REPORTブログ

2021.5.25 | アクセス解析の改善

Googleオプティマイズの「A/Bテスト」と「リダイレクトテスト」の違いについて

GoogleオプティマイズのA/Bテストとリダイレクトテストの違いについて

「Googleオプティマイズ」はGoogleが提供しているA/Bテストツールで、無料で利用することができます。

※なお、高度なテストやカスタマイズを行う場合は、有料版の「Googleオプティマイズ360」がありますが、よほど複雑なテストを必要としなければGoogleオプティマイズで事足りるかと思います。

ランディングページの運用改善やLPOにおいては、ウェブテストは必須の取り組みになります。ウェブテストを行うことで、雰囲気や印象などの主観的な判断に頼らず、数値的な結果を元に改善の良し悪しを、根拠を持って客観的に判断していくことができます。

そのためには、Googleオプティマイズは欠かせないA/Bテストツールです。

今回の記事では、Googleオプティマイズのテストの機能として、実はあまり他では語られていない「A/Bテスト」と「リダイレクトテスト」の違いについて、実際のLPO支援を実施させていただいている立場からご紹介したいと思います。

ウェブテスト実施の際、ご参考にしていただければと思います。

(なお、Googleオプティマイズの設定方法などは検索すれば多くの記事が出てきますので、こちらの記事では設定における詳細な方法論などは記載しておりません。)

「A/Bテスト」「リダイレクトテスト」のそれぞれの選定は、「エクスペリエンスを作成」ボタンから新たなエクスペリエンスを作成する際に、「作成するテストのタイプはどれですか?」の項目から選定できます。

1.エクスペリエンス作成ボタン
2.「作成するテストのタイプはどれですか?」から「A/Bテスト」または「リダイレクトテスト」を選択

まず「A/Bテスト」という言葉自体は、一括りにテストそのものの総称として使われることが多いですが、Googleオプティマイズで言うところの「A/Bテスト」は、「同一URLによる複数のパターンのテスト」を指しています。対して、リダイレクトテストは、「異なるURL(またはパス)で識別される個別のウェブページのテスト」を指します。

テスト上の大きな違いは、同一のURLか異なるURLかの違いとなりますが、その点も踏まえて、それぞれのテストの概要についてご説明します。

Googleオプティマイズの「A/Bテスト」について

A/Bテストの概要

「A/Bテスト」では、同一のURLにおいて、異なるテストパターンを出し分けて、テストを行います。

特徴としては、キャッチコピーの別パターンや写真の別パターンなど、パーツ単位でのピンポイントの改修内容に絞ってのウェブテストとして最適です。

例えば、キャッチAパターンとキャッチBパターンで該当ページに訪れた人に、ランダムにページが表示され、どちらがパフォーマンスが高いかを見ることができます。

「A/Bテスト」においては、基本的にGoogleオプティマイズの編集機能でテストパターンを用意しますので、ファイル構造を大きく変えたパターンを用意するような場合には適していません

イメージとしては、実際のソースコードには手を加えずに、Googleオプティマイズの編集機能で見た目上のテキスト等を変えてテストを行う。その上で、テストで良かったパターンを実際のソースコードに後から反映する。そのような流れになるかと思います。

厳密に言えば、画像を別パターンでテストする場合などは、Googleオプティマイズの編集機能だけでは対応できないため、該当のページが置かれたサーバーにテスト用の画像自体を事前にアップロードしていく必要があります。

ただし、「A/Bテスト」の大きな考え方としては、なるべくソースコードをいじらずにテストパターンをスピーディーに用意し、Googleオプティマイズ上の操作だけで簡単にテストができるというメリットがあるかと思います。

 POINT

・同一URLでのテストパターンの出し分けを行う。

・キャッチコピーや写真などパーツ単位のテストに向いている。

・オリジナルに対して、大きな変更案をテストパターンとして用意したい場合には向いていない。

・ソースコード上の変更は基本なく、オプティマイズの編集機能を活用してパーツを用意する。

 (※厳密に言えば画像はアップロードが必要。)

Googleオプティマイズの「リダイレクトテスト」について

リダイレクトテストの概要

「リダイレクトテスト」は、「A/Bテスト」のように複数のパターンの出し分けによるテストという点では変わりませんが、大きく異なるのがURLの異なる別のページを用意するという点になります。その意味では、パーツ単位のテストではなく、URL単位のテストと言えば良いかもしれません。

オリジナルページに対して、変更・改修をしたい箇所を企画し、実際にデザイン・コーディングを行って別URLとして用意する作業が必要になります。そのため、「A/Bテスト」ではソースコードに手を加えないことに対して、リダレクトテストにおいては、実際にソースコードをいじって別のファイルを用意するという点での違いもあります。

当然ながら、別URLでのテストページを用意するため、「A/Bテスト」に比べると、実際に手を動かす範囲が広くなり、作業工数が自ずと発生します。

ただし、その分、Googleオプティマイズの編集機能での見た目の編集作業に頼らずに自由に企画・設計や実装が行えるため、軽微なレベルでの改修に限定せずに、軽微なものから大幅な改修案まで実施したいテストレベルのコントロールが可能になります。

POINT

・異なるURLでテストパターンの出し分けを行う。

・パーツ単位のテストではなく、URL単位のテストになる。

・軽微な改修レベルのテストから大きな改修レベルのテストまで自由に決めて実施できる。

・実際にデザインやコーディングを行う工数が発生する。

それぞれのテストにはこのような特徴や違いがあります。

LPOで「リダイレクトテスト」が推奨される3つの理由

さて、その上で改めて説明させていただきますと、現状多くの企業様のLPO支援を行っていますが、コンバージョンラボでは、「リダイレクトテスト」を推奨させていただくことが多いのが現実です。

先に述べたこととも重なる点もありますが、その理由としましては、大きく3つあります。

①軽微なものから大きなものまでテストの改修レベルをコントロールできる。

②テスト結果を本番環境に反映する流れを組みやすい。

③URLを分けたほうがページごとに計測・分析がしやすい。

①軽微なものから大きなものまでテストの改修レベルをコントロールできる。

テストの改修レベルのコントロールについては、前述のそれぞれのテストの特徴にも記載しましたが、実際のソースをいじらずにGoogleオプティマイズの編集機能でできるテストの改修範囲は限定的になるため、コンテンツそのものの順番を入れ替えたり、テストページだけページ内遷移用のナビゲーションメニューを実装したり、固定のCVボタンを設置したりなど、分析から思いついたアイデアを自由にA/Bテストで実現することが難しいことがほとんどです。

対して、「リダイレクトテスト」では元々のソースコード自体を触りますので、そのような制約条件がないため、一定期間の流入データによる分析結果から導き出された多様な改善施策を、実際に実装することが可能になるという大きなメリットがあります。

様々なレベル感でのテストを行えることで、多角的な視点で効果を見定めていくことができるため、それだけ長期的に成果が出やすいページへと昇華させていくことができるのです。

②テスト結果を本番環境に反映する流れを組みやすい。

「リダイレクトテスト」の作業は、実際のテストページを用意するにあたり、デザインやコーディングを行う工数が発生する点で、「A/Bテスト」の場合よりも準備段階で手間がかかるかもしれません。

しかしながら、ここが盲点になりやすいところですが、「A/Bテスト」の場合は、テスト結果が出た後に、効果の出た改修内容を実際のソースコードにも反映しなければならないという作業が発生します。そのため、当然ながら、改めてデザインやコーディングを行う工数が発生しています。

であれば、予め別のURLで用意しておけば、テスト終了後にオリジナルが勝った場合は、そのままで変更せずに、テストページが勝った場合は、テストページの内容をオリジナルページのURLに上書くことで本番環境への反映ができます。

つまり、「A/Bテスト」の場合ですと、Googleオプティマイズ上でテストパターンを用意して試し、実際に勝ったほうを改めてデザイン・コーディングするという点で二度手間が発生しますが、「リダイレクトテスト」であれば元々用意してあったファイルを差し替えれば良いという1ターンの作業で本番環境への反映が可能になります。

それでいて、前述のようにテストの改修レベルも自由に設定できるため、制約のない本格的なLPOを実現できるというメリットがあります。

③URLを分けたほうがページごとに計測・分析がしやすい。

GoogleアナリティクスやPtengineなどの解析ツールでは通常URL単位での計測となるため、「A/Bテスト」の場合、同一URLでのオリジナルとテストパターンの出し分けとなるため、オリジナルとテスト両方の影響を受けた合算の計測データになってしまい、正確な分析が難しくなってしまいます

特にPtengineによるヒートマップ分析では、オリジナルとテストそれぞれにおいて実際のユーザーの動きを見ていくことで、検証の結果を詳細に分析したり、活用の幅が広がると思いますが、「A/Bテスト方式」の場合は、ヒートマップの出力データも同様に合算データとなるため、オリジナルとテストパターンでどちらが良かったのかを詳しく見ることができません。

そのため、URLごとにテストできる正しい計測と詳細な分析という点でも「リダイレクトテスト」のほうがLPOと相性が良いと言えるのではないかと思います。

まとめ

このように①本格的なウェブテストの実施→②正確な計測と詳細な分析→③スムーズな本番反映→④改修レベルを限定されない実装→そして、次のウェブテストの実施というLPOのサイクルをうまく回していくには、「リダイレクトテスト」のほうが最適な側面があります。

もちろん、例えば、メインビジュアルだけパターンを変えて、一旦テストをしてみたいなどの判断で、今回は「A/Bテスト」で実施するなどの判断もあるかと思います。

念頭に置いておきたいのが、テストを実施した後の段取りや改修レベル感を踏まえて、今回は、「A/Bテスト」が最適なのか?それとも「リダイレクトテスト」が最適なのかを自社の運用体制と合わせて選択できるかどうかだと思います。

今回の記事では、あまり取り上げられることのない、Googleオティマイズの「A/Bテスト」と「リダイレクトテスト」の違いについて弊社の考察を整理させていただきました。

貴社のLPOやランディングページの運用改善に活かしていただければと思います。