KAIZEN REPORTブログ
2018.4.23 | LPデザイン制作の改善
コンバージョンエリア(CTA)改善のポイント
今回の記事では、ランディングページの制作運用(LPO)に必須であるコンバージョンエリア(CTA)の改善についてお伝えしたいと思います。
ボタンのカラーを変えてみたり、色々な方法を試してみたものの他にも方法がないかとお探しの方はぜひ参考にしてみてください。また、ランディングページを新たに構築したものの改善については何をやったらいいかわからないという方もご参考ください。
一口にCTAの改善と言っても、実は様々な方法が考えられます。そもそものCTAの役割やCTAの構成要素から具体的な改善方法などについてお伝えします。
<コンテンツメニュー>
1.CTAとは
2.CTAの構成要素について
3.ボタンの構成要素について
4.CTAの分析について
-ヒートマップツールで分析する場合
-Googleアナリティクスで分析する場合
5.CTAの改善について
(1)CTA内の要素を変更する
-ボタンデザインを変える
-ボタン内のテキストを変える
-ボタン内の情報要素を増やす
-レイアウトを変える
-CTA内のキャッチコピーを変える
(2)CTAの位置や数を変更する
-CTAを追加する・移動する
(3)その他の施策
-CTAの直前のコンテンツを変更する
-CTAを固定化する
6.まとめ
CTAとは
まず、CTAとは「Call To Action」の略になります。
日本語では「行動喚起」と言われていて、ランディングページを訪れた訪問者に起こしてもらいたい行動を促すためのエリアです。コンバージョンエリアという呼び方もします。
ランディングページの長さによっても変わってきますが、一般的には一つのランディングページに4個から5個くらいのCTAを配置することが多いと言えます。
CTAは具体的な行動を促すため、ランディングページにとっては非常に重要です。
具体的な行動とは、購入や申し込みなどを行う入力フォームへ遷移させることです。(入力フォームは別ページの場合もあれば同一ページの場合もあります。)
如何に良い内容のランディングページであっても、CTAがなければ、ユーザーが行動を起こせずコンバージョンに至りません。また、CTAの内容や配置次第で、ユーザーの行動にも変化をもたらすことができます。
そのため、初期の段階で設定したCTAを分析しながら改善していくことは非常に有効な施策になりえます。
CTAの構成要素について
制作や分析・改善を実施するためにCTAの構成要素を把握しておきたいと思います。CTAは複数の構成要素から成り立ちます。
実際にユーザーがクリックまたはタップするボタン、行動を促すためのキャッチコピーや電話問い合わせ要素です。そのランディングページの目的に応じて、ボタンの数やコピーの内容、電話問い合わせ表示の有無は変わります。
また、PCかスマートフォンなどのデバイスによってレイアウトや表示方法も変わります。
①キャッチコピー要素
・・・各CTAの見出し、アクションを促すコピーやキャンペーンメッセージなどが入る。
②ボタン要素
・・・ボタンは1つの場合もあれば、複数のコンバージョンポイントを用意したい場合は、「資料請求用のボタン」と「問い合わせ用のボタン」といったように複数のボタンを配置する場合もある。
③電話問い合わせ表示要素
・・・電話で問い合わせをしたいユーザーも取りこぼさないように電話番号や受付時間を表示する場合がある。(スマートフォンの場合は、タップできるボタンにする場合が一般的)
④背景デザイン
・・・LPの他のコンテンツと差別化するためのカラーリング
ボタンの構成要素について
続いてボタンの構成要素についてもお伝えします。
一言でボタンと言っても、分解してみるといくつかの構成要素があることがわかります。
ボタンの構成要素は、カラー・サイズ・形状・テキスト・装飾という要素に分かれます。こちらも図をご確認ください。
これらの構成要素のいずれかを変えることで、反応に変化が見える場合があります。構成要素はボタンの改修の際には抑えておきたいポイントです。
CTAの分析について
実際にデザイン・コーディングを行ったCTAの分析についてお伝えします。
CTAの成果の分析や測定は、Googleアナリティクスやヒートマップツールを通じて行うことができます。
CTA内に配置されているボタンのクリック数やクリック率、また実際にどれくらいのコンバージョンがそのボタンから発生したのかを把握することが可能です。
ヒートマップツールで分析する場合
たとえば、コンバージョンラボが導入しているPt-engineというヒートマップツールでは、「ページ分析」を活用することで、CTAごとのボタンのクリック数やクリック率を調べることができます。
フィルター機能を用いれば、実際にコンバージョンに至ったユーザーとそうでないユーザーでそれぞれヒートマップを抽出することができます。
Googleアナリティクスで分析する場合
Googleアナリティクスを活用する場合は、各ボタンごとにパラメータを付与することで、それぞれのボタンのコンバージョンへの貢献度を調べることができます。
さらに、パラメータを付与している状態であれば、[行動→サイトコンテンツ→ランディングページ]から確認したいランディングページを選択し、[セカンダリディメンション]から「2ページ目」を表示することで、各ボタンからフォームページへの遷移数・遷移率を把握することができます。
このように解析ツールによって分析した際に、あまりボタンがクリックされていないなどの課題が出た場合の改善施策についてお伝えします。
CTAの改善施策には、大きく分けてCTA自体の中身を変更するという改善施策と複数あるCTAの位置や数などを変更するという改善施策があります。
CTAの改善について
それぞれの改善施策について見ていきたいと思います。
(1)CTA内の要素を変更する
まずはボタンなどのCTA内の要素自体を変更する場合の方法についての説明になります。
(1-1)ボタンデザインを変える
ボタン自体のデザイン変更は前述したボタンの構成要素のうち、カラー、形状、サイズ、装飾の要素変更があります。
もっともポピュラーなのは、カラーの変更でしょう。
一般的にランディングページでは、緑のボタンが好まれる傾向があるのが通説になっているところがありますが、必ずしも緑ならクリックされやすいとは限りません。
ボタンカラー選定において重要なのは、そのランディングページの中で目立つか、ボタンと認識されやすい色かということです。あくまでランディングページ全体のカラーに対してどのような色であるかがポイントになります。
他にカラー以外にも丸ボタンがいいのか四角のほうがいいのか、サイズは大きいほうがいいのかそうでないのか、立体の装飾をかけたほうがいいのかなどの観点がありますが、デザインテイストやユーザータイプなどを見極めながら変更していくことが重要です。
たとえば、女性がユーザーの主体であるならば丸みのあるボタンデザインに変更したほうが良い、全体的にフラットなデザインで洗練された印象を崩したくなければ不要な装飾は極力避けるなどを考える必要もあります。
(1-2)ボタン内のテキストを変える
ボタンのテキストの表現を変えることで、ユーザーがどのようなアクションをすれば良いのか、ということがより理解しやすくなる場合があります。
たとえば、「資料請求」という言葉ひとつをとっても、表現の仕方は様々です。
「資料請求する」や「資料をもらう」といったような言い方もあれば、たとえば、生徒を募集するような学校関連のLPであれば、「学校案内をもらう」など具体的に何の資料なのかを明記するという方法もあります。
(1-3)ボタン内の情報要素を増やす
心理的なハードルを下げるためにテキストなどの情報要素を追加するという方法です。
たとえば、「たった30秒」というように申し込みが簡便であることを伝えるテキストや、「無料」などのメリットのある情報を追加するというケースなどが考えられます。
(1-4)レイアウトを変える
ボタンやその他の要素が複数ある場合は、レイアウトを変えることで、優先順位を変えることができます。そのことにより、ユーザーにアクションしてほしい行動を促しやすくなります。
たとえば、コンバージョンボタンと電話問い合わせ表示を並列で配置していた場合、図のようにレイアウトを変えることで、ボタンの優先順位が上がります。
(1-5)CTA内のキャッチコピーを変える
ランディングページは、上から下まで1つのシナリオによって構築されるため、コンテンツごとに伝える内容も変わってきます。
そのため、コンテンツに連動したキャッチコピーをCTAに配置することで、ユーザーの行動を促しやすくなります。
例えば、CTAの直前のコンテンツが「商品説明」コンテンツであれば、CTAでは「○○製品のさらに具体的な魅力を知りたいなら」といったようなキャッチコピーが考えられます。あるいは、CTAの直前のコンテンツが「お悩み」コンテンツであれば、「発売以来◯万人のお悩みを解消してきました」などのキャッチコピーが考えられます。
このように直前のコンテンツに連動した適切なキャッチを置くことで、スムーズなコンバージョンへの誘導が可能となります。
いずれの手法をとる場合も、A/Bテストを実施をしながら、効果の出るCTAにブラッシュアップしていくことがポイントです。
なお、その際には同時に変更する要素は多くせずに、1つないし2つに絞りこまないとA/Bテスト上、何の要素を変えたことによって成果が変わったのかを把握できなくなるため、変更要素は少ないほうがベターと言えます。
(2)CTAの位置や数を変更する
また、CTAの中身は変更せずに位置や数などを変更するケースです。
(2-1)CTAを追加する・移動する
Pt-engineの「ヒートマップ」分析により、ユーザーに非常に読み込まれている注視率の高いコンテンツがあることがわかったにもかかわらず、そのコンテンツの近くにCTAがない場合などは、新たに追加するか注視率の低いコンテンツの近くにあるCTAをその位置に移動するなどの施策が考えられます。
CTAの追加や移動は全体の中でのバランスも考慮して対応する必要があります。
一つのコンテンツごとにCTAがセットになっているなど数が多すぎると、かえってLPそのもののコンテンツを見る上で邪魔になりますし、ユーザーに対する押し付け感なども出てきます。
ですから、全体のバランスを踏まえた上で、追加や移動を検討することが大切になってきます。
追加や移動をするのではなく、不要と判断できるCTAを削除することが必要な場合もあるでしょう。
(3)その他の施策
上記にあげた施策以外にも改善方法がいくつかありますので、次にあげる施策も一つの方法として覚えておいていただければと思います。
(3-1)CTAの直前のコンテンツを変更する
複数のCTAのクリック数やクリック率を分析し、成果が芳しくないCTAがある場合、エリアによって成果が異なるためCTAそのものの問題ではなく、配置されている位置に問題があるか、そのCTAの直前のコンテンツに問題があると言える場合があります。
前者の場合は、前述の施策のようにCTAの位置を変更するか削除するかなどの施策が考えられます。
後者の場合は、直前のコンテンツがユーザーにとって魅力的なものになっていないと考えられますので、直前のコンテンツ自体を外してしまうか、内容をもっと魅力的なものにするかという選択肢を出すことができます。
このようにCTAごとの成果により、CTAそのものの改修ではなく、直前のコンテンツを改修する必要が生じるということも覚えておきましょう。
(3-2)CTAを固定化する
ページ内に配置され、スクロールすることで表示されるCTAではなく、スクロールした際に常時表示される固定型のCTAを追加で実装するという方法もあります。
固定型のCTAを配置する場合は、ヘッダー固定型、サイド固定型、フッター固定型の主に3つの方法があります。(※スマートフォンの画面サイズの都合上、サイド固定型はコンテンツを隠してしまうため、ヘッダー固定型、フッター固定型の2択になることが一般的です。)
また、固定型のCTAを設置する場合は、単にコンバージョンのためのボタン要素だけでなく、ページ内のスクロール率や回遊率をあげるためのナビメニューも合わせて実装することが一般的です。
まとめ
このようにCTAの改善と言っても様々な変更方法があることがわかります。
ここに挙げた以外にも実際に必要となる施策も出てきます。
たとえば、目標とするコンバージョンのハードルが高い場合、もう一つコンバージョンポイントを増やしてみようということで、ボタンを追加するなどの変更方法もあるでしょう。いきなり「購入」というコンバージョンではハードルが高いため、「お試し」「問い合わせ」などのコンバージョンポイントを作って、コンバージョンの数を増やすといった方法などです。
GoogleアナリティクスやPt-engineなど解析ツールでは様々なデータを計測することができますが、そのデータを読み解き、仮説を立てること自体は実は非常にクリエイティブな作業になります。同じデータでも想定できる仮説は異なってくるため、先々の改修も踏まえて、現時点ではどのような改修をすべきなのかを見定める必要があります。
また、その上で、A/Bテストを実施しながら、最適なCTAヘと昇華させていくという姿勢が重要になるでしょう。
今回は、CTAの改善というテーマで改善のための施策やポイントをまとめてみました。ぜひ実践していただければと思います。
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