KAIZEN REPORTブログ
2026.7.29 | LPデザイン制作の改善
コンバージョン獲得の確度を高めるランディングページの切り口設計

●この記事の要約
生成AIやノーコードツールの普及によって、ランディングページを制作すること自体では差がつきにくくなっています。限られた広告流入をコンバージョンにつなげるためには、ユーザーの流入経路や検討状況に合わせて、LPの切り口と情報の優先順位を設計することが重要です。
- 検索キーワードだけでなく、実際の検索語句、広告の訴求、流入元などから、ユーザーがLPに何を期待しているのかを把握すること
- 競合LPのファーストビュー、訴求内容、情報の順序、CTAなどを比較し、自社が打ち出すべき価値を明確にすること
- GA4やヒートマップを活用して、スクロール、注目箇所、CTAクリック、フォーム到達などの行動から、LP内の課題を把握すること
- 年齢や性別だけでペルソナを作るのではなく、ユーザーの課題、認知度、検討段階、不安、比較ポイントを整理すること
これらの調査をもとに、誰に、どの価値を、どのような順序で伝えるかを設計し、公開後もユーザー行動を検証することで、成果につながるランディングページへ改善していくことができます。
目次
良い商品には、良いランディングページを。
ここ数年で、ランディングページを取り巻く環境は大きく変化しています。ノーコードツールや生成AIの普及により、専門的な制作体制を持たない企業でも、短期間でランディングページを形にできるようになりました。その結果、単に「ページを制作すること」自体では差がつきにくくなり、誰に、どの価値を、どのような切り口で伝えるかという企画・設計の重要性が、これまで以上に高まっています。
また、いくらランディングページの見せ方が良くても、商品/サービス自体に魅力がなければ、反響は得られません。
さらに、検索広告では競争の激化によってクリック単価が上昇しやすく、広告からランディングページへ流入させるだけでは、十分なコンバージョンを得にくいケースも増えています。SNS広告、動画広告、比較サイト、オウンドメディア、AI検索など、ユーザーが商品・サービスを知り、比較する経路も多様化しています。
こうした環境では、商品・サービスの魅力をページ上で伝えるだけでなく、限られた広告流入を成果につなげるための切り口と導線設計が求められます。
現在は、良い商品・サービスに対して、見栄えの良いランディングページを用意するだけでは十分ではありません。流入経路ごとに異なるユーザーの期待や検討度を捉え、広告・コンテンツ・ランディングページ・フォームまでを一連の導線として設計する必要があります。「良い商品」を抱えている企業にこそ、成果につながる切り口と情報設計を備えた「良いランディングページ」が必要です。

コンバージョン獲得の鍵を握る「切り口・方向性」
「良いランディングページ」を目指すために最も重要な工程の一つが「切り口の設計」です。
「切り口」といっても様々な概念があるかと思いますが、ここでは、そのランディングページ上で最も強く打ち出す訴求軸と定義します。
同じ業種・業界であっても、商材によって切り口は様々です。
たとえば、同じ化粧水のランディングページにおいても、「安さ訴求」「効能訴求」「続けやすさ訴求」など、商材によって訴求する点は異なります。
しっかりとコンバージョンを獲得できるランディングページを目指すのであれば、既存マーケットの状態やユーザーニーズを正確に把握したうえで、自社商材が最も魅力的に見える切り口を定める必要があります。
ここでは、切り口を設計するための調査と整理を、次の4つのポイントに分けて解説します。
「切り口設計」における4つのポイント
①キーワード・流入ニーズのリサーチ(入口の設計)
②競合LPの調査
③既存LPの行動分析
④ターゲット・検討状況の整理(出口の設計)

①キーワード・流入ニーズのリサーチ
Webマーケティングの業界に身を置く方であれば、キーワードリサーチという言葉を耳にされたことのある方は多いかと思います。
Google広告のキーワードプランナーやGoogleトレンドを利用することで、対象キーワードの検索規模や需要の推移を把握できます。
ただし現在は、検索キーワードだけを見てランディングページを設計するのでは不十分です。検索広告の実際の検索語句、広告文や広告クリエイティブごとの反応、ランディングページへの流入元なども確認し、ユーザーがどのような訴求をきっかけに流入し、ページ上で何を期待しているのかを把握する必要があります。
また、検索数が多いキーワードが、そのまま自社にとって成果の出やすいキーワードとは限りません。検索意図や検討段階、広告のクリック単価、競合の強さ、ランディングページへの流入後の行動まで含めて判断することが重要です。
ランディングページの制作では、こうした流入データをもとに、ユーザーの認知度や検討度を整理します。必要に応じて、流入経路ごとにファーストビューやページ構成、訴求内容を分けることも有効です。

たとえば、夏の紫外線が気になり、日焼け止めの購入を検討しているユーザーがいたとします。
同じ「日焼け止め」に関する流入でも、ユーザーの検討段階によって求めている情報は異なります。
すでに欲しい商品が決まっているユーザーであれば商品名で検索し、価格を比較したいユーザーであれば「日焼け止め 安い」「日焼け止め 価格」といった検索を行うでしょう。
一方で、「日焼け止め おすすめ」と検索するユーザーは商品を比較している可能性があり、「日焼け止め 肌に優しい」と検索するユーザーは成分や安全性を重視している可能性があります。
あくまでキーワードを起点とした一例にはなりますが、このように、検索語句や広告への反応から、ユーザーがどのような課題を抱え、どの段階で情報を探しているのかを整理できます。
<図001 検索キーワードから見る、ターゲットユーザーのニーズ>

図解することで、ターゲットユーザーのニーズと検索語句、検討段階の関係を直感的に把握できます。
その結果、ランディングページでどのユーザーを中心に据え、どの情報を優先して伝えるべきかを判断しやすくなります。
②競合LPの調査
狙うユーザー像や流入ニーズが見えてきたら、次は競合企業のランディングページを調査します。
対象となるキーワードで検索し、検索結果や広告文から、どのようなランディングページへ誘導しているのかを確認します。あわせて、広告で打ち出している訴求が、ランディングページのファーストビューや本文でどのように表現されているかを見ることが重要です。競合調査では、「ファーストビューで何を強く訴求しているか」「どのような悩みやニーズを取り上げているか」「価格・実績・機能・安心感のどれを重視しているか」「どのような根拠や事例を提示しているか」「コンテンツをどの順番で配置しているか」「CTAをどこに、どのような文言で設置しているか」といった、ランディングページ内の要素を比較します。
(MetaなどのSNS広告中心の場合は、競合として関連するサービスのバナーからLPをひとつひとつ見つけていくやり方もあります。)
検索結果や広告の表示内容は、検索履歴、地域、デバイス、時間帯、広告配信設定などによって変化します。そのため、複数の条件で確認し、調査時点の画面や広告文、キャンペーン内容を記録しておくと、後から訴求の変化を比較しやすくなります。
競合のランディングページと自社のランディングページを比較することで、既存マーケット内での自社の立ち位置や、訴求すべきポイントが見えやすくなります。競合と同じ要素をすべて盛り込むのではなく、ユーザーが比較時に必要とする情報と、自社ならではの価値を分けて整理することが重要です。
<図002>自社商品・サービスのポジショニング

③既存LPの行動分析
すでにランディングページを運用している場合は、GA4やヒートマップなどを用いて、ページ内でのユーザー行動を確認します。流入元ごとの閲覧状況、スクロール到達率、コンテンツの注目度、CTAクリック、フォーム到達などを分析することで、どの訴求が関心を集めているのか、どこで離脱や迷いが生じているのかを把握し、新たな切り口の発見につなげることができます。
ここでは、ランディングページの分析に役立つツールを紹介します。
・Google Analytics 4(GA4)
Googleが提供する、ランディングページやWebサイトのアクセス解析に用いられる代表的なツールです。ランディングページごとのセッション数、流入元、デバイス、地域、エンゲージメント、CTAクリックやフォーム到達、コンバージョンなどのイベントを確認できます。また、ランディングページレポートや探索機能を活用することで、ユーザーが最初に訪れたページと、その後に取った行動を分析できます。なお、年齢・性別などの属性データは、ユーザーの同意状況やデータ量によって表示が制限される場合があります。旧来のように流入キーワードを一律に取得できるわけではないため、Google広告の検索語句データやSearch Console、広告媒体のデータなどと組み合わせて分析することが重要です。
・ヒートマップ解析ツール
例)Ptengine
ヒートマップ解析ツールとは、サーモグラフィのようなイメージで、該当ページ上でユーザーが注目している箇所を赤く、逆にあまり注目されていない箇所を青白く表示する解析ツールになります。
<図003 ヒートマップの例>

ヒートマップ解析ツールを提供している企業はさまざまありますが、今回参考として挙げているPtengineでは、クリックヒートマップ、アテンションヒートマップ、スクロール到達率などを確認できます。さらに、流入元、デバイス、コンバージョンの有無などでユーザーを分けてヒートマップを比較することで、成果につながったユーザーと、つながらなかったユーザーの行動差を把握し、改善の方向性を検討できます。
ただし、ヒートマップの色が濃いことだけで、そのコンテンツがコンバージョンに貢献したとは断定できません。GA4や広告データ、A/Bテストの結果などと組み合わせて判断することが重要です。
(参考記事)
ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント
ヒートマップから得られるユーザー行動は、切り口設計やページ改善の有力な手がかりになります。ただし、ツールを導入するだけで課題や改善策が自動的にわかるわけではありません。GA4や広告データ、フォームデータなどと照らし合わせながら、仮説を立てて分析する必要があります。
公開されている情報や書籍を参考にしながら社内で分析することも可能ですが、一定の知識と工数が必要です。十分な体制を確保できない場合は、WebマーケティングやLPOの専門会社に分析を依頼する方法もあります。

④ターゲット・検討状況の整理(出口の設計)
上記の調査を行ったうえで、ランディングページで中心に据えるターゲットと、そのユーザーの検討状況を整理します。
ここで重要なのは、年齢や性別、趣味などを細かく設定した架空の人物を作ることではありません。ユーザーがどのような課題を抱え、どの程度商品・サービスを理解し、何を比較し、どのような不安を感じているのかを具体化することです。
検索語句や広告への反応、既存ページの行動データなどを組み合わせることで、実際にランディングページへ流入するユーザー像に近い仮説を立てやすくなります。さらに、流入経路や検討段階ごとに必要な情報を整理することで、ファーストビューやコンテンツの優先順位を決めやすくなります。
たとえば、先述の日焼け止めの商品において、「日焼け止め おすすめ」と検索しているユーザーは、購入候補を比較しながら、この商品が他の商品と比べて何に優れているのかを知りたいと考えている可能性があります。

その場合は、他商品との比較や選ばれる理由を提示することで、ユーザーの判断を後押しできます。一方、SNS広告から初めて商品を知ったユーザーには、比較情報より先に、悩みへの共感や商品の必要性を伝える方が適している場合があります。このように、同じ商品でも流入経路と検討状況によって、優先すべき訴求は異なります。

調査を行ったが、訴求軸が見えてこない場合
キーワードリサーチや競合の商品/サービスとの比較調査を行ったはいいものの、どのような訴求軸で設計を行えば良いのかが定まらない場合は、自社商品/サービスに対する、客観性が足りていないのかもしれません。
自社商品/サービスについて長く関わっているうちに、「ユーザーが知りたい情報」と「企業側が伝えたい情報」がズレてしまうことは多々あります。
そんなときは、一度自社商材を俯瞰で捉えることで、これまで当たり前の特徴として見落としていた魅力を再発見できることがあります。
また、外部の目を入れることも有効な手段のひとつです。社外の完全に客観的な視点から自社商材を見てもらうことで、自分たちでは気付けなかった切り口・方向性の発掘につながるかもしれません。
まとめ:コンバージョン獲得の確度を高めるランディングページの切り口設計に関する
ランディングページの新規制作や改善において、切り口・方向性の設計は成果を左右する重要なポイントです。生成AIやノーコードツールによってランディングページを制作しやすくなった一方で、ページを作ること自体では差がつきにくくなっています。
また、検索広告のクリック単価上昇や、SNS・動画・AI検索など流入経路の多様化によって、検索キーワードだけを起点にした設計では、ユーザーのニーズを十分に捉えられない場合があります。検索語句、広告クリエイティブへの反応、競合ランディングページの訴求、既存ページの閲覧・スクロール・クリックデータなどを組み合わせ、ユーザーがどのようなきっかけで流入し、ランディングページ上で何を求めているのかを整理することが重要です。
そのうえで、誰に、どの価値を、どのような順序で伝えるかを設計し、公開後もデータをもとに検証を重ねることで、コンバージョンだけでなく事業成果につながるランディングページへ改善していくことができます。
今回ご紹介したポイントを参考に、自社の商品・サービスに合った切り口と方向性の設計にお役立てください。
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