KAIZEN REPORTブログ

2025.1.31 | LPデザイン制作の改善

【2025年版】ランディングページの制作・改善に欠かせない競合LP調査

競合LP調査

多くの企業がインターネット広告に力を入れている昨今、あらゆる業種・業界でランディングページを作成し、コンバージョン・売上を上げている企業が多くなっています。

本記事をリリースした2019年当初ですでにあらゆるマーケットでの競合性が高まっており、2025年現在では、さらにその競争が激化しています。

マーケットが出来上がってしまっているため、新たにランディングページを作成するとなった場合、競合サービスのページがすでに存在しているため、同じような訴求をしても埋もれてしまい、コンバージョン獲得に至ることは難しくなっています。

また、運用過程の改善時も同様で、たとえ開始当初は成果が出ていても、日々変化するマーケットにおいては、後発のランディングページに追いつかれてしまい、徐々に成果が下がってしまうケースも多いのが実情です。

そのため、競合ありきのマーケットでしっかりとコンバージョンを獲得するためには、それぞれの競合のLPがどのような打ち出しやコンテンツになっているかを調査し、それに負けないLPやコンテンツを制作することが必要になります。

そこで、今回の記事では、差別化のために必要な情報を得るための「競合ランディングページ(LP)調査」についてお伝えします。

競合LP(ランディングページ)調査とは

「競合LP調査」とは、一言で言えば、自社の商品・サービスの競合となる製品を提供している他社のランディングページを調査することです。

競合調査の目的は、マーケットの全体像を把握し、そもそも自社の商品・サービスが現在どういった立ち位置なのかを見極め、ランディングページを設計・改善する上で、他社製品との差別化ポイントを見つけることやコンテンツに漏れがないようにするため、あるいは、他社がどのようなデザインを行っているかを把握することにあります。

ここで注意したいのが、競合他社も日々、変化を続けているということです。

ユーザーは常により良い選択肢を探し、比較・検討を継続的に行っています。競合他社の訴求力が高まると自社のランディングページの訴求力やパフォーマンスは相対的に低下してしまうため、競合調査を行うのは制作時だけでなく、運用中にもタイミングを見て行っていく必要があるのです。

競合ランディングページ調査の目的

前述の通り、Web上にはたくさんのランディングページが存在しています。

情報量を多くしたランディングページや、動画を用いたランディングページなど、他社との差別化を目的として、様々な試行錯誤が行われています。

刻一刻と変化していく競合ページと差別化を図り、かつ、コンバージョンを獲得するためにも、常に最新のマーケット状況を把握し、自社製品・サービスの立ち位置を知り、ランディングページを制作・改善していくことは重要な作業です。

続いての章では、競合LP調査の方法やポイントをご紹介します。

競合調査を始める前に情報を整理する

競合調査といっても、ただ闇雲に目につく競合のページを見ていればいいわけではありません。

いざ競合調査を始めようとしたとき、何も考えずに取り掛かることはかえって時間の無駄になってしまう可能性があります。競合調査を始める前には以下の点に注意して取り組んでいきましょう。

A)競合調査を行う目的を明確にする
B)調査する媒体・閲覧するデバイスを決める
C)マーケット内にめぼしい競合ページが見当たらない場合

A) 競合調査を行う目的を明確にする

競合調査を行う際には、まず競合調査を行う目的を明確にしておきましょう。競合調査を行う主な目的としては以下のような理由が挙げられると思います。

・これからランディングページを制作したいので、その参考にしたい

・コンバージョンが良くないのでランディングページを改善したい

動機は確かにそうですが、これでは漠然とした状態での調査になるため、見るべきポイントを絞れません。そのため、もう少し踏み込んで目的を明確にする必要があります。

仮に、ランディングページの改善のために競合調査を行う場合、どのような改善を行いたいかの方向性を定めておくことが大切になります。

例えば、以下の問題点がある場合はどうでしょうか。

 例)ユーザーのファーストビューの注目度が高いけれど、ファーストビュー内のコンバージョンボタンがあまり押されていない

このような場合、ページ終盤のコンテンツに手を加えることは、改善施策としてふさわしくないかと思います。

このような課題にマッチしそうな改善施策としては、「ファーストビューのデザインやキャッチコピーの変更」や「コンバージョンボタンのデザインやオファー内容の変更」が挙げられるかと思います。

そのため、「競合ページがどのようなファーストビューでどのようなコンバージョンボタン(ボタンのカラー、オファー内容)を設置しているのか」を調査することが明確な目的となり、見るべきポイントが絞られます。

このように、ランディングページを改善したいという目的から一歩踏み込んだ目的まで明確にしておく必要があります。

他にも目的としては、大まかなものも含めて以下のようなものが考えられます。

・競合他社のランディングページ上のコンテンツの全体像を把握したい
・競合他社のランディングページのデザインを知りたい
・競合他社の製品・サービスの価格を知りたい
・競合他社のランディングページの入力フォームの取得項目を知りたい

など目的に応じて様々に考えられます。

B)調査する媒体・閲覧するデバイスを決める

年々盛んになるWEB広告において、広告を出稿できる媒体や手法も増え続けています。

主な媒体/手法としては、以下が主流となっています。

・Googleの検索広告
・Googleのディスプレイ広告
・Yahooの検索広告
・Yahooのディスプレイ広告
・Microsoft広告
・Meta広告(Facebook/インスタグラム)
・LINE広告

上記以外にも媒体はありますが、ご覧の通り、数多くの媒体/手法が存在します。

これら1つ1つがユーザーを抱えた擬似的なマーケットとなっており、そのマーケット内に存在するLPが“競合LP”であるといえます。

そのため、もしFacebook広告に主に出稿しているにもかかわらず、Googleで検索して競合LPを調査したとしても、実際のユーザーがいるとマーケットとは異なるマーケットの調査をしてしまっているため、実際のユーザー状況の正しい理解には至りません。

競合調査の際には、自社のLPをどの媒体で運用するのか、運用しているのかを踏まえて調査を行うことが重要です。

媒体ごとのマーケット

なお、1つの媒体だけでなく、複数の媒体で運用を行うケースもあるかと思いますが、その場合は両方の媒体で調査を行うことで、媒体ごとにマーケット状況や競合の訴求内容に違いがあるのかや、いずれかの媒体にしかいない競合をしっかり把握することができます。

調査する媒体を決定したら、次はどのデバイスで競合調査を行う必要があるのかを決定しておきましょう。デバイスを決めるという意味は、自社の商品・サービスが「スマートフォン」で閲覧されやすいか、それとも「PC」から閲覧されやすいかを把握・仮定しておくということです。

例えば、健康サプリメントを販売しているページなら、お客様は一般のお客様となり「スマートフォン」からのランディングページの訪問が多いと仮定できます。

一方で、システム管理ツールなどの商材を扱っているページの場合、法人のお客様となり「PC」からのランディングページへの訪問が多いと仮定できます。

このように、自社のランディングページがどのデバイスからのページへの訪問が多いのか把握・仮定しておくことで効率的に競合調査を行うことができます。

ランディングページマーケティングの世界では、一般的には、BtoCの場合は、スマホのランディングページに力を入れ、BtoBの場合は、PCのランディングページに力を入れることが主要な傾向かと思います。

C) マーケット内にめぼしい競合ページが見当たらない場合

商材によっては、いくら探しても競合LPが見つからない場合もあるでしょう。

また、競合LPがある場合でも、長くLPを運用していくと、一通り競合と思しきページを把握し切ってしまい、新しい発見が見つからない場合もあるかと思います。

その際におすすめしたいのが、「共通するユーザーニーズ・課題を抱えたマーケットの調査」です。

たとえば、転職支援サービスの場合、業界大手を含めた広告出稿がかなり激しいマーケットとなっており、かつ、ユーザーのサービス認知度が高く、求める情報もある程度固まっている(求人数・求人内容など)ため、LPでもそれに応えるために同じような訴求を行う必要があり、ブランド力のある大手企業以外は差別化が難しいマーケットとなっています。

その場合は、マーケット内の調査では新たな発見を見つけづらいため、あえて他のマーケットに目を向けて調査を行うことも有効です。

人材系サービスにおけるユーザーニーズ・マーケット課題を整理すると以下の通りとなります。

・ユーザーが欲しい情報が決まっている
・サービスや商材単体での差別化が難しい
・自社の魅力はあるものの、言語化すると競合と似たような表現になってしまう

たとえば、似たようなニーズ・課題のある業界として「スキンケア業界」が挙げられます。

スキンケア商品は広く一般に認知されている商品であり、競合商品が数多く存在し、薬事法の規制強化の影響もあって商品の魅力や違いを伝えることが難しい状況であるという、人材系サービスと似たような状況にあります。

そのため、スキンケア業界でも多くの企業があの手この手で新たなLPでの表現を試行錯誤しており、その業界ならではのトレンドや表現が生まれています。

このように、別業界のトレンド・手法から、自社LPにも取り入れられそうなコンテンツを発見することで、LPの制作や改善における糸口が見つかるかもしれません。

業界ごとのトレンド

競合調査を始める前に情報を整理する

競合調査を始める前の情報を整理できたら、競合調査を始めていきましょう。ここでは、競合調査を行う際の3つのポイントをご紹介します。

3つのポイント
A) 網羅性を重視する
B) 競合ページをグルーピングする
C) 深度を深める

A) 網羅性を重視する

調査する媒体が決定したら、競合ランディングページの情報を収集していきましょう。

自社の商品・サービスのマーケットに存在する競合ランディングページを漏れがないようにリストアップするように気をつけて取り組むようにしましょう。

競合ランディングページを漏れなくリストアップすることで、自社の商品・サービスがどのような立ち位置なのか把握することができます。

そして、競合ランディングページをリストアップする際は、競合ランディングページの「訴求軸」「特長」などをExcelなどで、一覧形式でまとめるようにしていきましょう。

一覧形式でまとめることで、他の人が見ても理解でき、また、自身が見返した時にも役に立ちます。図はまとめ方のイメージです。

競合LP調査一覧

また、競合ランディングページを収集する際は、時間帯や曜日を分けて収集するように心がけることが大切です。

競合ランディングページの広告の運用方針による時間帯や曜日における配信の強弱の設定、複数ページを活用した検証などを行なっているケースがあるため、1日のみの競合ランディングページの収集ではなく、異なる時間帯・異なる曜日で調査していくようにしましょう。

B) 競合ランディングページをグルーピングする

競合ランディングページを漏れなくリストアップしたら、競合ランディングページをグルーピングするようにしましょう。

先ほど、一覧形式でまとめた中から同じ「訴求軸」や同じ「特長」を持つ競合ランディングページをそれぞれグルーピングしていきましょう。グルーピングする際の軸としては、「訴求軸」「特徴」だけではなく、商品・サービスの「価格帯」など、ユーザーの購入決定要因になる軸でグルーピングしていくといいでしょう。

例えば、化粧品を販売するランディングページなら、「ハリ・コシ、さらさら髪」といった訴求軸や、価格帯がユーザーの購入の決定要因になります。この決定要因である訴求軸、価格帯でそれぞれ分けてグルーピングすることで、競合ランディングページの中で、最も自社の商品・サービスに似ているページを発見することができます。

グルーピング

C) 深度を深めていく

競合ランディングページの中で、自社の商品・サービスに最も近い商品を扱うランディングページを見つけたら、次はその競合ランディングページを深掘りしていきます。

深掘りしていく際には、その競合ランディングページがどのような構成になっていて、何を伝えているのかに着目して調査していきます。そして、深掘りしていくにあたって以下のステップで進行していくようにしましょう。

C-1) セクションごとに分解する

競合ランディングページをセクションごと(セクションとはコンテンツの塊)に分解していきます。ランディングページには「お悩み」「選ばれる理由」「商品・サービスの特長」などいくつものセクションで構成されています。そのため、まずは競合ランディングページがどのようなページ構成で構築されているのかを洗い出していきます。

セクションごとに分解する

競合ランディングページの構成を洗い出すことで、競合ランディングページの全体像が見えてきます。また、構成要素を分解するだけではなく、競合ランディングページがどのようなストーリー設計で情報を伝えているのかにも着目しておきましょう。

C-2) 構成要素を抽出する

競合ランディングページを分解したら、そのセクションをさらに深掘りしていきます。ランディングページの改善の目的が「ファーストビューの見せ方の変更」の場合、ファーストビューを構成している要素を細かく抽出していきましょう。

競合ランディングページのストーリー設計を把握することで、より競合ランディングページの良い部分を理解することができます。また、競合ランディングページのどのようなストーリー設計に魅力を感じられるかユーザーの目線に立って考えてみることも大切です。

ファーストビューの構成要素

ファーストビューには、「メインキャッチ」「商品・サービス写真」などのメインの構成要素の他にも、背景写真や訴求軸などサブ的な要素を用いて構成されています。このような細かい内容まで気を配ることが大切です。

特にユーザーはファーストビューの良し悪しで、ページをスクロールするか否か(ページに興味がでるかどうか)を決定しています。ファーストビューの出来がコンバージョン獲得に影響すると言っても過言ではないため、慎重に調査・分析を行う必要があります。

C-3) 比較検証する

抽出した後は、競合ページのセクションを構成する要素と自社のランディングページの要素を改めて比較してみましょう。比較することで、自社のランディングページにはない要素を発見することができます。

例えば、競合他社の持つ強みに対して、自社ではどの立ち位置にいるのか。差別化するためにはどのような訴求するべきなのか、自社の強みを踏まえて置き換えることは可能なのかどうか検討することで同じ強みでもより良い訴求となります。

そして、比較した際に自社にはない要素こそが自社のランディングページに足りないもので、競合ページの良い所なのかもしれません。

そのため、調査を通して得た内容を参考に、最初に決めた競合調査の目的に活用していきましょう。

競合LP調査のまとめ

今回の記事では、競合LP調査を始める前のポイントや、競合LP調査を行う上で大切なポイントについてご紹介しました。

目的の明確化や対象媒体の選定などの工程を怠ってしまうと、焦点がぼやけた競合LP調査になり、ランディングページの制作・改善にとって有効でない調査になってしまう可能性があります。

そのため、漠然とした形で取り組むのではなく、ポイントをおさえて競合LP調査を実施する必要があります。そうした調査により得られた情報を活用して、より質の高いランディングページの制作・改善が可能になります。