KAIZEN REPORTブログ
2019.12.24 | アクセス解析の改善
コンバージョンが上がらない! そんな時にチェックしておきたいランディングページを起点としたボトルネックの見つけ方_基礎編
ランディングページを用意して、広告の運用をスタートしてみたものの、なかなか思ったように成果が上がらず、何が原因なのかわからない。
デジタルマーケティングに携わっている方であれば、一度は経験があるのかもしれません。
今回の記事では、「運用を始めたけど、思ったようにコンバージョンが上がらない」という事態に遭遇した時に、ランディングページの分析を起点に、どこにボトルネックがありそうか?を見つけるためのポイントについて、3つの視点から整理したいと思います。
[視点1]対象としているユーザーをLPに流入させられているか?
広範囲なディスプレイ広告の配信や検索広告の部分一致で検索クエリを広く拾って運用していると、意図していないユーザーをたくさんLPに呼び込んでしまうこともあり得ます。
この時に、広告から流入してくるユーザーと着地先のLPに、ボタンの掛け違いが発生してしまっているため、ほとんどの確率でファーストビューで離脱(直帰)が大量発生し、成果には結びつきません。
「もしかして、自社の運用でこのような状況になっているのでは?」と思われる場合、Googleアナリティクスやヒートマップツールを利用して、現状確認してみるのが良いでしょう。
※ヒートマップツールについては、コンバージョンラボが日常的に利用するPtengine(有料ツール)を用いての説明となります。
Googleアナリティクスの場合
(1-1)LPに流入している参照元/メディアで比較
運用しているランディングページをメニューの[行動]→[サイトコンテンツ]→[ランディングページ]から任意のランディングページを選択し、指定。その後、セカンダリディメンションの[集客]→[参照元/メディア]を選択します。
複数メディアを同時運用している場合では、該当LPの流入元を一覧化できるため、各メディアごとの直帰率や平均セッション、滞在時間を相対評価することができます。
ここで、明らかにコンバージョン率が低かったり、直帰率が高いメディアや平均セッション、滞在時間が低い流入元などを見つけて、パフォーマンスの良いメディア悪いメディアを比較してみるのも良いでしょう。
※前提として、各メディアに対してカスタムキャンペーンのパラメータを付与していることが必要です。
(1-2)LPに流入しているユーザー属性で比較
(1-1)と同様に、任意のランディングページを選択し、その後、
セカンダリディメンションの[ユーザー]→[性別] or [年齢]を選択します。
Googleアナリティクスでは、ユーザーの性別や年代などのデータを、ランディングページごとに抽出することができます。
ランディングページ制作時にイメージしていた想定ユーザー(ペルソナ)と実際に流入してきているユーザーの傾向を見比べ、意図している見込み客を集められているのか?を検証することで、問題解決につながることもあるかもしれません。
※前提として、Googleアナリティクスのユーザー属性の分析設定をONにしている必要があります。
(1-3)LPに流入しているデバイスカテゴリで比較
(1-1)と同様に、任意のランディングページを選択し、その後、
セカンダリディメンションの[ユーザー]→[デバイスカテゴリ]を選択します。
スマートフォン中心に広告戦略を設計もしくはPCデバイス中心に設計していたなどのように、ユーザーのデバイスをどちらかに絞って着地先のランディングページを用意しているというケースもあります。
この場合、スマホユーザーのデータを分析していたが、実はデスクトップ端末からの流入が多く、こちらのユーザーの方が完了ページへの到達率が高いという思わぬ発見などもあるかもしれません。
Ptengineの場合
Ptengineの場合、対象LPのスクロール到達率を小刻みに出力してくれるため、ランディングページ上のどこで離脱したのか?を一目で分析できてしまいます。
ファーストビューから次のセクションにスクロールする際の到達率が100%→10%に減少しているなどの場合は、意図しないユーザーが多いと推測することができ、CVRの低下や離脱要因の早期発見にもつながります。
[視点2]LPから次の入力フォームやカートへしっかり遷移しているかどうか?
(1)の問題はクリアしているはずなのに、コンバージョンが発生しないという場合、LP上のどこかにボトルネックがあるか?もしくはLPから次に遷移する入力フォームやカートに問題があるという場合も考えられます。この場合、ひとまずGoogleアナリティクスを使って、下記の切り口で調べて見るのも良いでしょう。
(2-1)2ndページへの遷移率をチェックする
(1-1)と同様に、任意のランディングページを選択し、その後、セカンダリディメンションの[行動]→[2ページ目]を選択します。
Googleアナリティクスの場合
この2ページ目への遷移の傾向を見ることで、LPから次に遷移させたい入力フォームやカートのページにどれくらい遷移しているのか?を掴むことができます。
例えば、LPから入力フォームへの遷移率が1%だと、99%が入力フォームに行かずに離脱しているため、LP上の何かを改善する必要があると判断することができます。
逆に、LPからの遷移率が10%あったとすると、100人中10人が入力フォームへ遷移しているため、数字としては悪くありません。それでもなぜ、コンバージョン率が悪いのか?という点に立ち返ると、入力フォームやカートの方に最終ページまで到達しない原因があると考えることもできます。
PTengineの場合
ここではクリックヒートマップとアテンションヒートマップの2軸で分析するのが良いでしょう。
まずクリックヒートマップの場合、LP上に設置しているCTA内のボタンのクリックやタップが計測されているかどうかを見ましょう。
もし、このCTAエリアに対して、ユーザーのクリックやタップの形跡がなく、避けられているとしたら、CTA内のオファー自体を見直す必要があるでしょう。
次に、アテンションヒートマップではページ上のどこのセクションにもっとも注目が集まっているのか?を確認してみるのが良いでしょう。
例えば、ファーストビュー以降の下部エリアは、青いエリアが多いなどがあれば、クリックヒートマップとの比較から、そもそもコンテンツの設計に問題があるのではないか?というボトルネックを見つけ出すことができます。
[視点3]入力フォームやカートから最終ページまで到達しているかどうか?
最後に入力フォームやカートの最終ページまでの到達率に関してです。ここではGoogleアナリティクスの場合、ファネル設定をしておくことが前提となりますが、ファネルを設定しておくことで、入力フォーム→確認画面→完了ページまでの遷移が見られるため、入力フォームには到達したが、そこでどれだけのユーザーが離脱しているのかを確認することができます。
合わせてヒートマップ分析では、クリックヒートマップやスクロール到達率を確認することで、入力ボックスに対してのクリック跡や完了ボタンまでにスクロール離脱がないか?などを見ることができます。
そうすると、入力項目の順番や項目の数、より入力をしやすくするための工夫ができないか?という観点で問題と改善策を考えることができます。
まとめ
コンバージョンの成果が芳しくないという時には、このように大きく導線を分解し、「流入元→LP」まで、「LPからフォーム」まで、「フォームから完了ページ」までという段階ごとのプロセスとその数字を見た上で、細部の改善点を見つけ出していくという方法が着実に問題点を見つけていくための方法として有用かと思います。