KAIZEN REPORTブログ
2018.5.28 | LPデザイン制作の改善
コンバージョン獲得の確度を高めるランディングページの切り口設計
良い商品には、良いランディングページを。
ここ数年でランディングページを取り巻く環境は大きく変化しています。あらゆる業界でランディングページの数が増加傾向にあり、競争が激化しています。
そんな状況の中、いくら良い商品/サービスを持っていたとしても、ランディングページ上でうまく表現できなければ、コンバージョンには至りません。
また、いくらランディングページの見せ方が良くても、商品/サービス自体に魅力がなければ、反響は得られません。
そのため、「良い商品」を抱えている企業にこそ、「良いランディングページ」が必要です。
コンバージョン獲得の鍵を握る「切り口・方向性」
「良いランディングページ」を目指すために最も重要な行程の一つが「切り口の設計」です。
「切り口」といっても様々な概念があるかと思いますが、ここでは、そのランディングページ上で最も強く打ち出す訴求軸と定義します。
同じ業種・業界であっても、商材によって切り口は様々です。
たとえば、同じ化粧水のランディングページにおいても、「安さ訴求」「効能訴求」「続けやすさ訴求」など、商材によって訴求する点は異なります。
しっかりとコンバージョンを獲得できるランディングページを目指すのであれば、既存マーケットの状態やユーザーニーズを正確に把握したうえで、自社商材が最も魅力的に見える切り口を定める必要があります。
ここでは、「良いランディングページ」を生み出すために重要な「ランディングページの切り口設計」のポイントをご紹介します。
「切り口設計」における4つのポイント
①キーワードリサーチ(入口の設計)
②競合ページ調査
③既存ページの分析
④ペルソナ設定(出口の設計)
① キーワードリサーチ
WEBマーケットの業界に身をおく方であれば、キーワードリサーチという言葉を耳にされたことのある方は多いかと思います。
Google AdwordsのキーワードプランナーやGoogleトレンドなどにより、対象のキーワードがどの程度検索されているのか?また、どのような検索推移になっているのか?がわかるようになってきていますが、実際にそのデータをランディングページの切り口の設計に役立てている方は多くないのではないでしょうか。
しかし、実際にランディングページの制作の現場において、ユーザーニーズを把握するためには、キーワードリサーチは必須といって良いほど重要な作業になります。
たとえば、夏の紫外線が気になり、日焼け止めの購入を検討しているユーザーがいたとします。この場合、ユーザーは「日焼け止め」というワードで検索を行うことが想定されますが、その掛け合わせで検索されるワードは、ユーザーのモチベーションの状態によって様々です。
すでに欲しい商品が決まっているユーザーであれば、その商品名を入力しますし、価格を比較したい場合は、「安い」や「価格」などのワードで検索を行うでしょう。
そのため、検索キーワードの傾向から、そのマーケットにどのようなユーザーがいるのか?また、どのターゲットユーザーにアプローチするのが効果的なのか?を把握することができます。
<図001 検索キーワードから見る、ターゲットユーザーのニーズ>
このように図解をすることで、ターゲットユーザーのニーズと検索キーワードの関係を直感的に見ることができます。
そうすることで、ランディングページ上でどのユーザーをターゲットとするかの意思決定を行いやすくなります。
② 競合ページ調査
狙っていくキーワード/ターゲット像が見えてきたら、次は実際にそのキーワードで検索を行った際に表示される競合ページの調査を行います。
ここで気をつけたいのは、一度の検索のみで調査を打ち切るのでなく、異なる時間帯や曜日で複数回調査を行うことです。
検索結果に一度に表示される広告枠に限りがあるのに加え、企業によっては、特定の時間帯や曜日にのみ広告配信を行っていたりするため、どうしても1回の調査だけではすべての競合を拾い切ることが難しく、根気強く、何度も調査を行うことが重要です。
競合ページを網羅した上で、競合の商品/サービスと自社の商品/サービスとの比較を行うことで、既存マーケット内でのユーザーから見た立ち位置や、訴求すべきポイントが自然と見えてきます。
<図002>
③ 既存ページの分析
すでに運用しているランディングページなどのWEBページがある場合は、そのページの分析を行うことで、実際にどのようなユーザーが流入していて、その内のどのようなユーザーがコンバージョンに至っているのかを抽出でき、新たな切り口の発見につなげることができます。
ここでは、ランディングページの分析に役立つツールを紹介します。
・Google Analytics(グーグルアナリティクス)
https://analytics.google.com/
Google社が提供している、言わずと知れたランディングページ/WEBサイトを運用する上での必須ツールです。流入しているユーザーの年齢・性別・デバイス・時間などの特徴から、流入キーワード・流入媒体・流入経路まで、細かくデータを抽出することができます。
・ヒートマップ解析ツール
例)Pt-engine
https://www.ptengine.jp/
ヒートマップ解析ツールとは、サーモグラフィのようなイメージで、該当ページ上でユーザーが注目している箇所を赤く、逆にあまり注目されていない箇所を青白く表示する解析ツールになります。
<図003 ヒートマップの例>
ヒートマップ解析ツールを提供している企業は様々ありますが、今回参考としてあげさせていただいているPt-engineというツールでは、実際にコンバージョンを行ったユーザーのみのヒートマップを抽出することもでき、コンバージョンの獲得に貢献しているコンテンツと、そうでないコンテンツが可視化されることで、客観的な視点から、改善の方向性を導き出すことができます。
ヒートマップを用いたランディングページの改善については、こちらの記事<ヒートマップツールを用いたランディングページの分析・改善のポイント>で詳しく紹介していますので、よろしければご参考ください。
実際にコンバージョンを行っているユーザーの特徴や動きことがわかるということは、切り口設計の大きなヒントになるため、夢のようなツールではありますが、ツール自体の扱いに慣れていない方にとっては、欲しい情報に辿り着くだけでも骨が折れる作業になります。
インターネットに落ちている情報や書籍を参考にしながら調査を行うことも可能ですが、時間も労力もかかる作業であるため、そこまで工数をかけられない場合は、WEBマーケティングのプロに思い切って外注することも一つの方法です。
④ ペルソナ設定(出口の設計)
上記の調査を行ったうえで、最後に行うのがペルソナ設計です。
また、ここでのペルソナ設計とは、「商品/サービスの対象となるユーザー像」ではなく、「ページに実際に流入するユーザー像」です。
キーワードリサーチや競合ページの調査から、実際に流入してくるユーザーの年齢・性別・悩みなどを仮設ベースで組み立てることで、より効果的な訴求を行うことができます。
たとえば、先述の日焼け止めの商品において、顕在層のユーザーをターゲットとする場合、「日焼け止め+ おすすめ」で検索しているということは、「この商品が他の商品と比べて、何が優れているのかを知りたい」と考えていると想定されます。
そのため、ランディングページ上で他商品との比較を打ち出すなど、ユーザーのニーズに対応する訴求を行うことができれば、ユーザーの購買意欲を満たすことができ、コンバージョン獲得につながると考えられます。
調査を行ったが、訴求軸が見えてこない場合
キーワードリサーチや競合の商品/サービスとの比較調査を行ったはいいものの、どのような訴求軸で設計を行えば良いのかが定まらない場合は、自社商品/サービスに対する、客観性が足りていないのかもしれません。
自社商品/サービスについて長く関わっているうちに、「ユーザーが知りたい情報」と「企業側が伝えたい情報」がズレてしまうことは多々あります。
そんなときは、一度自社商材を俯瞰で捉えることで、これまで当たり前の特徴として見落としていた魅力を再発見できることがあります。
また、外部の目を入れることも有効な手段のひとつです。社外の完全に客観的な視点から自社商材を見てもらうことで、自分たちでは気付けなかった切り口・方向性の発掘につながるかもしれません。
まとめ
ランディングページの新規制作はもちろん、ランディングページの改善においても、切り口・方向性の設計は非常に大事なポイントであり、その訴求軸を正しい方向に持っていくためにも、マーケットの調査は重要です。
真摯にコンバージョンの獲得・改善に向き合っていくのであれば、しっかりとリサーチを行ったうえで、理にかなった情報設計・デザインを行うことが、コンバージョンの獲得に効果的です。
ぜひ今回ご紹介したポイントを参考に、効果の高い切り口や方向性を企画・設計し、自社の商品/サービスの販売促進に活用いただければと思います。
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