KAIZEN REPORTブログ

2016.1.25 | LPデザイン制作の改善

ランディングページマーケティングは、「ユーザー視点」がカギになる

ランディングページマーケティングは、「ユーザー視点」がカギになるメインビジュアル

ランディングページを開発する目的は、ユーザーに対してなんらかのアクションを起こしてもらうこと(=コンバージョンの発生)です。


これまでも書いてきましたように企画設計、デザイン、コーディングなど様々な開発工程で技術や工夫が大切です。


今回の記事では、そうしたすべての工程において欠かせない「基本的なスタンス」について書きたいと思います。


その基本的なスタンスとは、「ユーザーの視点に立つこと」のことです。


専門的な言葉で言えば、ユーザーインサイト、UI、UXなどの言葉で表現されることもありますが、よりわかりやすい言葉で言えば、「ユーザー視点」という言葉になるかと思います。


なお、それぞれの用語は以下のように定義することができます。


ユーザーインサイトとは


ユーザーインサイトとは「ユーザーが持つ隠れた本音」や「深層心理」という意味で使われ、行動をしているユーザーの隠れた本音を知り、適切なアプローチをすることです。

ユーザーの持つ無意識的なニーズを的確に掘り起こすことで、ランディングページ制作だけでなく、新たなサービスや商品の開発にも繋げることが可能になります。


UIとは


「ユーザーインターフェース(User Interface)」の略であり、WEB制作の現場においては文字のフォントやタブメニュー、ボタンの視認性・操作性などといった、「ユーザーの目に触れるもの」は全て、UIとして定義づけられます。このUIという概念は、デザインを考える上で重要なものとなります。


UXとは


「ユーザーエクスペリエンス(User Experience)」の略であり、WEB制作の現場では、「ユーザーがWEBサイト通じて得られる体験」のことを意味します。情報が伝わるやすくわかりやすいレイアウトであったり、ボタンの配置やサイズ感などといった要素が適切であったりと、ユーザーにとって「使いやすい」「ほしい」といった印象を与えることができれば、UX評価が高い、ということになります。こちらもUIと同様、WEBデザインを考えていく上で重要な概念となります。


「ユーザー視点(ユーザーインサイト、UI/UX)」がなければ、せっかくいい商品やいいサービスを持っていても、ユーザーに起こしてほしいアクションを促すことはできないと思います。


ちなみに、「ユーザー視点」を持つことは当然のことのように思われるかもしれませんが、それを徹底することは思った以上に難しいことです。


では、どのような観点で、ユーザー視点に配慮し、かつ実際の施策に落としていくのかをポイントを絞って見てみたいと思います。


企画設計段階で必要な「ユーザー視点」


最初の工程であるランディングページの情報設計やシナリオをつくる企画・設計の段階で必要な「ユーザー視点」についてまとめます。


ランディングページは一般的には、検索連動型広告(リスティング広告)の受け皿として活用されることが多いため、まず大きく2つのことを決める必要があります。


①検索キーワード
②ターゲット


商品・サービスに関連する検索キーワードと、どのようなユーザーをターゲットするのか?を同時に決めていきます。ここで大事なことは、ユーザーが検索サイトの検索窓に特定のキーワードを入力し、ランディングページを訪れる際に、どのようなニーズや目的を持って訪れるかということです。


つまり、この工程で必要となるユーザー視点は、「キーワードと対象ユーザーの関連性から、ユーザーの求めているメッセージを見つけること」になります。


たとえば、「ランディングページ デザイン」や「ランディングページ 制作」というキーワードを検索している法人企業のマーケティングの担当の方がいたとします。


前者のキーワード「ランディングページ デザイン」と入力した方は、自社が持っているランディングページのデザインをリニューアルしたいと考えている場合や、優れたランディングページデザインの事例を探している場合など、ランディングページのデザインになんらかこだわりたいと思っていることが推測されます。


後者のキーワード「ランディングページ 制作」でいけば、ランディングページを新たに制作しようと考えていて、制作できる会社を探している可能性があります。


前者であれば、そのマーケティング担当者に向けて告知するランディングページ内で、「デザインへのこだわり」や「デザイン事例」などのコンテンツを早い段階で見せていくことがポイントになりそうです。


後者であれば、「具体的な制作料金」や「制作工程」などの情報が必要になってくるかと思います。


上記は単純な例ですが、こういった形で、検索キーワードとターゲットの関連性からユーザーの求めるものを想像し、メッセージやコンテンツをつくっていくことがポイントになります。


このことがまさに企画設計段階が、情報設計と言われるゆえんです。ニーズの読み解きと必要なメッセージ・コンテンツの設計がそのランディングページの方向性を決めます。


検索キーワードの調査方法などさらに詳しく知りたい方はこちらの記事も合わせてご高閲ください。


ランディングページと検索キーワードの関係

https://conversion-labo.jp/report/lp_ad/4090/


デザイン段階で必要な「ユーザー視点」


つづいて、デザイン段階で必要な「ユーザー視点」です。


デザインは企画設計されたものをビジュアルに落とす段階ですので、まさに実際に目で見るという観点から、デザインをすることが必要になります。目に見える分、デザイン段階ではより具体的なユーザー視点を持つことが大切になります。


たとえば、ユーザー視点としてこういったことが考えられそうです。


・ランディングページを開いたときに最初に見る画面「ファーストビュー」でどのような印象を抱いてもらいたいか?


・ユーザーが下にスクロールしていった際に、スムーズにコンテンツのつながりやストーリーがわかるビジュアルになっているか?


・実際に、問い合わせや購入などのアクションを起こしたいと思ったときに、コンバージョンボタンをすぐに見つけられるか?


・文章が長すぎて読みづらくないか、文章量が多すぎて内容が理解されずらくないか、文章のフォントサイズは視認性が高いものか?


・文章だけでは伝わらづらい内容を補完する写真や図・イラストなどがあるか?


・ユーザーの属性に合った雰囲気を伝えられているか?男性に合ったデザインテイストか、女性に合ったデザインテイストか?年齢には適応したビジュアルか?など。


・ひととおりそのランディングページを見た後に、再度戻りたい場合に戻りやすいナビなどが設置されているか?


・ナビやボタンなどが役割ごとにわかるUIデザインになっているか?


などなど細かい点をあげればもっと出てきますが、逆を言えばひとつひとつのデザインからユーザーが何を感じるかという意図を持ってデザインをすることが大切になります。


コーディング実装段階で必要なユーザー視点


最後に、実際に出来上がったデザインに命を吹き込むコーディング実装段階で必要な「ユーザー視点」についてです。


コーディングは、デザインを再現するフェーズで、一度デザインされたものを分解し、再度ルールに沿って再構築していく工程です。


そのコーディング段階においても、「ユーザー視点」が必要になるのです。


コーディング上、必要になる「ユーザー視点」は大きくふたつです。


①ユーザーに負荷をかけない表示速度の追求
②適度な「視覚的な動きによる表現」で情報の伝わりやすさを実現する


まず、①表示速度についてですが、せっかくクリックして開いたもらったランディングページの表示速度が遅く、なかなか開かなければ、ユーザーにとって負荷をかけてしまいます。


当然ながら、スムーズにページが表示されることにこしたことはありません。


その際には、表示を遅くする主な原因となる画像容量の軽減という作業が必要になります。デザインのクオリティを下げずに、同時に画像の容量を落としていくという作業です。ここには見えないフロントエンドエンジニアの手間がかかっています。


続いて②の適度な「視覚的な動きによる表現」についてです。


よくあるケースとして、インパクトを重視するがあまり、必要以上に動かしたり、複雑な動きが続いてしまえば、かえって、その動きばかりが目立ち、見たい(見せたい)情報に目がいかないということがあります。


そういった状態にならないように、あくまで「ユーザーの目線の動きを補完する」ような動きが最適になります。


たとえば、使用手順やフローが書かれているコンテンツがあれば、そのステップの順番に表示をさせていくような動きがあれば、ユーザーに順番をすぐに認識させることができ、補完的な動きになりえます。このようなことを想定してコーディングすることも、ユーザー視点上とても大切なことです。


まとめ


このように「ユーザー視点」というものは、ランディングページを開発する上でのどの工程でも必要になります。


この記事にあげた内容はあくまでもポイントのみですので、実際にはもっと細かな面でそうした配慮が必要になります。


また、それぞれの工程において、ひととおりの仕事が完成した段階で、もう一度「ユーザー視点」で見直してみるということも大切です。


そうした作業を行うことで、はじめには気づかなかった修正ポイントなどが見えてくるはずです。


たとえば、実際に設計時には良いと思ったものも、デザインに当てはめてみると、文章量が多すぎるから削る必要があるといったことや、コーディングをしてみて、ナビがあることで、かえってユーザーがコンテンツを見る上での妨げになるのでは?といったことに気付いたりします。


ランディングページは運用・改善をしながらより良いものにしていくのものでもあるため、いきなり一回でベストなものができるとは限りません。


とはいえ、そうした「ユーザー視点」を持たずに手を抜いてしまえば、その後の改善ポイントも見つけづらくなります。


ですから、初期構築の段階からしっかりとそれぞれの工程で、「ユーザー視点」を持って、ランディングページを開発するという意思がとても大切なのです。


今回は概念的な部分が多い内容になりましたが、ランディングページ開発に欠かせない「ユーザー視点」について書いてみました。