KAIZEN REPORTブログ
2019.1.25 | 広告運用の改善
マイクロコンバージョンを上手に活用する
マイクロコンバージョンを活用できていますか?
今回の記事では、リスティング広告やディスプレイ広告の運用をしているものの、なかなかコンバージョンが発生しないため、運用が改善していかない場合の対処方法の一つである、マイクロコンバージョンについてご説明します。
コンバージョンとは
コンバージョンとは、ユーザーが、ウェブ上で設定している目標に到達したことを指します。簡単に言うと、ランディングページからゴールに到達したということになります。このゴールは、扱っている商材やサービスの内容、また、業界によっても様々です。
例えば、EC用のランディングページであれば、そのゴールは商品を「購入」してもらうことです。賃貸マンション物件の紹介用のランディングページであれば、「内見予約」かもしれません。また、BtoB向けのサービスで法人を対象としているものであれば「資料請求」がコンバージョンとなるかもしれません。
このように扱う商材によってコンバージョンの定義は異なってきますので、自身のランディングページでは何をコンバージョンとしているのかを置き換えて考えてみてください。
インターネット広告などでこのコンバージョンを計測する際は、通常、「資料請求」や「購入」などのアクションの後の「サンクスページ(完了ページ)」に計測タグを設置することで計測がされています。広告をクリックしたユーザーが、ゴールである完了ページに到達すると、タグが発火して、広告媒体側で計測できる仕組みになっています。
リスティング広告やディスプレイ広告などの運用型広告では、このコンバージョンの獲得効率を高めるために運用調整をしていきます。コンバージョンが数多く計測されているようなケースであれば、判断材料も多くなるため、その後の運用がしやすくなります。しかしながら、このコンバージョンが少ない場合は、判断材料が乏しく、なかなか改善に向けたアクションを取りにくくなってしまいます。
このような、判断材料の少ない中で、無理に運用調整を進めてしまうと、一件のコンバージョンによる誤差が大きくなってしまい、かえって運用効果を悪化させてしまうことも起こりえます。判断材料がない中では、あまり無理して細かな調整を進めないほうが良いでしょう。
では、判断材料が少ない場合はどのように運用型広告を運用していくのが良いのでしょうか。
このような場合に、運用を改善していくために用いられるのが、マイクロコンバージョンという概念です。
マイクロコンバージョンとは
マイクロコンバージョンとは最終コンバージョンの手前に位置するコンバージョンポイントのことで中間コンバージョンと呼ばれたりもします。簡単に言うと最終ゴールであるコンバージョンの手前の行動を仮コンバージョンとして計測するということです。
例えば、健康サプリを扱うランディングページの導線を考えてみましょう。
通常、ランディングページとしての商品ページに訪れて、他商品のページを比較して、フォーム、確認画面、購入完了と進んでいくかと思います。コンバージョンは購入完了後に表示されるサンクスページになります。
このような流れの中で、購入完了するユーザーが少ない場合、購入完了ページの手前に位置しているフォームページに到達したユーザーをマイクロコンバージョン(中間コンバージョン)として計測することで、判断材料を増やすことができます。
多くの場合、ユーザーの流れでは、フォームに到達したユーザーのうち全てのユーザーが購入完了まで進んでくれるわけではありません。購入の意欲は一応あり、フォームへは到達したものの、入力に時間がかかりそうなため、その場を離脱してしまうユーザーなど、購入完了をしてくれないユーザーは必ず発生してしまうでしょう。
マイクロコンバージョンのメリット
マイクロコンバージョンのメリットとして、購入完了ページの一つ手前のフォームをマイクロコンバージョンとして計測することで、上の例のような購入意欲はあるもののコンバージョンまで至らなかったユーザーを下記の流れで改善することができます。
1.離脱ポイントの把握
2.的確な改善ポイントの発掘
3.コンバージョン率改善施策への有効活用
マイクロコンバージョン設定時の注意点
マイクロコンバージョンはただ設定するだけでは効果を発揮しません。
マイクロコンバーションを設定する際は、コンバージョンへつながる指標になるか、つまり最終的なコンバージョンの増加と関係性があるかが重要です。
離脱率を減らすことを目的とした場合、マイクロコンバージョンに設定したポイントの獲得数が少なければ、改善スピードは上がりません。
コンバージョンに至らない原因を突き止めるためには、マイクロコンバージョンの獲得数が多く、最終的なコンバージョン数が少なくなっているという差を見つける必要があります。
例えば、購入数を増加させることを目的とした場合、「商品ページ」を見ている人は多いのに、注文フォームへ行く人が少ないのであれば、説明内容に魅力がない、あるいは注文フォームへの進み方が分かりにくい、といった課題を考えることができます。
このように、目的に応じた運用をすることで効果を発揮します。
しかし、ランディングページの構成によっては、コンバージョン自体を上手く計測できない場合があるため、設定時には注意が必要です。
ランディングページの構造上、サンクスページを設定できない場合や、電話へ誘導してしまう場合
通常のコンバージョン計測の場合は、購入完了などを示す物理的なページとして完了ページ(サンクスページ)がありますので、コンバージョンタグをページ内に設定した計測方法はイメージしやすいかと思います。
しかしながら、外部サイトへのリンクや電話の発信ボタンのクリックなどでユーザーの動きが終了してしまう場合、完了ページが存在していないため、通常のコンバージョン計測のようにタグを設置することができません。実際にランディングページを制作していくうえで、電話からの問い合わせを重視した作りになっている場合や、フォームや支払い決済用のサイトなどが外部のサイトと連携している場合など、一つのランディングページ内でユーザーの行動を完結できないケースは良くあります。
このような場合はどのようにコンバージョンを考えればいいのでしょうか。
一つのランディングページ内でユーザーの行動を完結できない場合にも、マイクロコンバージョンの考え方は有効です。マイクロコンバージョンと同様に最終的なゴールの手前のアクションを(仮)コンバージョンとすることで運用の効果の判断材料を作ることが出来ます。
上記のようなケースでは、電話発信や遷移ボタンのクリックを(仮)コンバージョンとして設定していきます。
マイクロコンバージョンをGoogleアナリティクスで計測する方法
ボタンクリックのコンバージョン計測方法には下記のような方法があります。
オンクリックタグという別のタグをHTMLコード上に設置する。
この方法では、計測対象とするボタンやリンクが含まれるページのHTML上で計測タグを設置するほかに、ランディングページ上のボタンやリンクのコードに直接オンクリックタグと呼ばれるコードを追加する必要があります。
この方法では、その発信ボタンが「テキストリンク」、「ボタン※<button> タグ」、「ボタン画像」なのかにより、書き込むコードの種類が違うので注意が必要です。
特に、Google広告とYahoo!スポンサードサーチを併用している場合など、電話クリックを複数の媒体で計測する場合、このオンクリックタグのコードもそれに合わせて書き換えなければならず、設置がかなり煩雑なものとなってしまいます。
そこでご紹介したいのが次のGoogleタグマネージャーを活用した計測方法になります。
Googleタグマネージャーのトリガーでボタンクリックを計測する。
上記のように、オンクリックタグを設置するという、追加の作業がなく比較的簡単に計測できる方法が、Googleタグマネージャーを活用した方法になります。
※別途Googleタグマネージャーの設定はしていただく必要があります。
この方法では、コンバージョンが計測される発火条件を、トリガーを設定することによって制限します。
トリガーとは、タグを呼び出すためのイベントになります。ページが読み込まれた場合(ページビュー)、ボタンのクリックやスクロールの距離などこれらのユーザーのイベントをトリガーとして設定することが出来ます。
※ちなみに、通常のサンクスページにタグを設置して、その発火条件をトリガーとして設定する場合は『サンクスページのURLのページが読み込まれた場合』というトリガーになります。
Googleタグマネージャーのトリガーで『ボタンがクリックされた』というトリガーを設定して、そのトリガーをコンバージョンタグと紐づけることで、『ボタンがクリックされた』ことをコンバージョン計測することができるようになるということです。
まとめ
最近では、インターネット広告の運用もどんどん自動化が進んできています。機械学習による自動運用を導入する場合、コンバージョンの最大化や獲得単価を目標値として設定することがあります。コンバージョン計測が少ない場合だと、システムが運用の効果を判断できずに、最適化が進まなくなってしまいます。
このような観点からも、最近のトレンドとしてはマイクロコンバージョンの導入が進められていると言えるでしょう。
最終的なコンバージョンがどうしても少ない場合、最終的なゴールの手前にマイクロコンバージョンを設定することで、判断材料を増やすことができます。まずは、判断材料を増やすことで適切な判断をしていき、課題を一つずつ解決していくことが重要だと言えます。