KAIZEN REPORTブログ
2017.6.28 | 広告運用の改善
「一般ワード」の追加で、LPへの流入ユーザーを増やす
今回の記事では、リスティング広告の運用で欠かせない一般ワードについてご説明します。
リスティング広告におけるキーワードには大きく分けて2つの種類があり、「指名ワード」と呼ばれるものと、「一般ワード」と呼ばれるものがあります。
「指名ワード」とは、その企業の名前や商品名、サービス名など、独自性のあるワードを指します。「ブランドワード」と呼ばれることもあります。
「一般ワード」とは、それ以外の、ほかの企業や商品、サービスにも当てはまるような一般的なワードを指します。一般ワードを適切なユーザーに配信することができると、着地ページであるランディングページの獲得数を伸ばしたり、新規のユーザーを効果的に取り込んだりすることができます。
「指名ワード」「一般ワード」それぞれの役割
では、「指名ワード」と「一般ワード」は、どのような目的で使い分ければ良いのでしょうか?
ここでは、それぞれのキーワードの役割を説明します。
「指名ワード」と「一般ワード」では、検索しているユーザーのモチベーションや目的が変わってきます。
「指名ワード」を検索しているユーザーは、既に商品やサービスを知っているので、購買行動に対するモチベーションの高いユーザーであることが想定されます。そのため、ランディングページに流入した後にコンバージョンに至る可能性も高くなります。
また、「指名ワード」はその企業独自のワードなので、競合と入札競争が起こりにくいため、キーワードの入札金額を低く抑えることができます。
これらの傾向から、「指名ワード」は低い獲得単価でモチベーションの高いユーザーを漏れなく確実に刈り取ることが最大のミッションとなります。
一方、「一般ワード」を検索しているユーザーは、自社の商品やサービスをまだ知らず、商品やサービスについて情報収拾をしていたり、他社と比較検討していたりするユーザーであることが想定されます。
そのため、「一般ワード」はまだ自社の商品やサービスを知らないユーザーに向けて配信することにより、自社の商品、サービスやその特性を認知させ、新たなユーザーを取り込むことが目的となります。
一般ワードを配信するメリット
「指名ワードでは頭打ちになってしまう獲得数を、さらに増やすことができる!」「自社の商品やサービスを知らないユーザーに対して、商品・サービスを認知したり、特性をアピールしたりすることができ、新規のユーザーを取り込むことができる!」
このようなメリットがあります。
一般ワードの種類
ここまで「指名ワード」と「一般ワード」の役割の違いについて説明してきましたが、
次はさらに掘り下げて、「一般ワード」の種類について説明していきます。
「一般ワード」は、ユーザーのモチベーションによっていくつかの段階に分けることができます。
この段階を意識してキーワードや広告文を考えると、それぞれのユーザーが求めているものに対して適切な広告を配信することができ、広告の効果をアップさせることができます。
今回はリフォーム会社を例にとって説明していきます。
モチベーション低:ビッグワード
例えば「リフォーム」、「リノベーション」、「家 修理」などかなりざっくりしたキーワードです。
これらのキーワードを検索しているユーザーのなかには、「家をリフォームしたい」と考えて検索しているユーザーもいますが、ほかにも、「古くなった家具をリノベーションしたい」や「家の壁紙を自分で修理したい!」と考えて検索しているユーザーもいるかもしれません。
検索しているユーザーの幅が非常に広く、それだけそのキーワードを入札している競合の数も多くなるため、入札単価が非常に高くなってしまう可能性があります。
そのため、予算に余裕のある場合を除いて、配信はあまりおすすめできません。配信する場合は、関係のないユーザーに配信されないようにしっかりと除外ワードの設定をする必要があります。(今回の場合は「家具」など)
モチベーション中:情報収集ワード
例えば「壁紙 張替え」「リフォーム 事例」など
「壁紙の張替えっていくらくらいかかるのかな?」「どの部分をリフォームしようかな…」など、情報収集している段階になります。
ビッグワードよりは目的が具体化されていますが、購買行動へのモチベーションはまだそこまで高くないユーザーの可能性が高いです。ただ、検索数は非常に多いので、より多くのユーザーに対してアプローチすることができます。
ただし、モチベーションは高くないので獲得率は低い傾向にあり、獲得単価が上昇する危険性があるので、配信をスタートさせてからは細かく進捗を確認することが重要です。
モチベーション高:比較検討ワード
例えば「リフォーム会社 おすすめ」「キッチン リフォーム 見積もり」など
ある程度目的が明確になっていて、「どこの会社でお願いしようかなあ…」「この会社だと、キッチンを取り替えるといくらかかるの?」など、いくつかの会社を比較している段階です。
一般ワードの中では比較的モチベーションの高いユーザーが検索しているワードになります。
一般ワードを初めて配信する場合は、この比較検討ワードから始めるのがおすすめです。キーワードを選ぶ時は、自社の軸となる商品やサービスと関連の高いキーワードを選ぶことが重要です。
また、比較検討段階のユーザーに向けて配信するため、広告文やLPでは他社にはない自社の強みをしっかりアピールできるかが、獲得率を大きく左右する鍵となります。そのため、キーワードを入札する前に一度そのワードを検索し、競合がどのような広告を配信しているかチェックしてみることをおすすめします。
一般ワードを配信する上での注意点
一般ワードを配信する上での注意点は大きく3つ挙げられます。
1)検索クエリなどを確認し、競争優位性の高いキーワードから配信を始めて、徐々に配信を拡張していく。
2)一般ワードはCPAが指名ワードより高くなる傾向にあるため、配信してからは細かく進捗をチェックする。
3)競合の広告と比較し、他社にはない自社の強みをしっかりアピールする。
事例
ここでは具体的な事例を紹介します。
業界:法人向けセキュリティソフト
課題:指名系のみのキーワードを入稿していたため、効果が頭打ちになってしまった。
⇒検索クエリを確認したところ一般ワードからの流入からも獲得できていることが分かりそれらのキーワードを追加したところ全体での獲得数が増えた。
まとめ
一般ワードを適切に配信することにより、指名ワードではなかなか獲得しづらい新規ユーザーの獲得数を増やすことができます。
「指名ワード」と「一般ワード」、また「一般ワード」の中にもユーザーのモチベーションの違いがあることをしっかり理解し、それぞれに合った広告文の配信や入札単価調整を行うことで、広告の配信の最適化が進み、効果を改善することができます。
一般ワードを配信する際には、「他社にはない自社の強みは何か?」「このキーワードを検索しているユーザーは何を求めているのか?」を一度客観的に考えてみることがとても重要です。
記事協力:株式会社コンバージョンアド