KAIZEN REPORTブログ
2016.8.24 | 広告運用の改善
リスティング広告で効果を出すための「カテゴリ別アロケーション」の考え方
今回は、ランディングページと密接な関連のあるリスティング広告の、運用の要になる「予算投下」についての記事を書きたいと思います。
「カテゴリ別アロケーション」とは?
リスティング広告にて広告出稿を行う場合に、ただ闇雲にキーワードを登録してキーワードに対する原稿を作成してランディングページを設定し、入札調整を行うといった運用の仕方を取ってしまうと、大きく失敗する可能性があります。
一言でキーワードと言っても、色々な属性のキーワードが存在します。
その属性ごとにカテゴリとして分類して管理、運用していくことが有効的です。
例えば、
◯「化粧品 通販」
◯「化粧品 比較」
化粧品という軸となる商材キーワードに対して、通販や比較といった目的となるキーワードが掛け合わされています。通販サイトを探しているといったユーザーと化粧品を比較したいと考えているユーザーでは、目的も異なりますし、購買におけるモチベーションも異なります。
こういった目的別にカテゴリを分類し、カテゴリごとに適切な予算を分配していくことをカテゴリ別アロケーションといいます。
「カテゴリ別アロケーション」の考え方
広告を出稿する企業様によって考え方が異なる場合もありますが、基本的な考え方は同じです。
1つの類似する考え方として、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)があり、それを活用できます。
上図は、PPM(プロダクトポートフォリオマネジメント)を表現した一般的な図となります。
詳細は省略させて頂きますが、これは複数の事業を営んでいる企業の事業ごとの投資の優先順位を表現するものとなっていて、相対的市場シェアが高く、市場成長率が低くなった「金のなる木」と呼ばれる領域で得た資金を、市場成長率が高くて相対的な市場シェアが低いとされる「問題児」の事業に多くの資金を投下するという内容です。
要するに、限りある予算の中でどこにどれだけの資金を投下するべきかということを財務的な視点で考えられたものです。
この考え方を、リスティング広告のカテゴリ別アロケーションにも活用していきます。
縦軸に「市場規模(検索数など)」を取り、横軸に「獲得における効率」を取ります。
効率が高い左側の領域には獲得機会を損失しないために予算を最大限投下します。
この際にリスティング広告のアカウント上で参考にする指標はインプレッションシェアという指標となります。インプレッションシェアとは、該当するキーワードにおける表示回数の割合と認識いただければ問題ないと思います。予算で抑制がかかっているかどうかの判断をここで行います。
しかし、最大限獲得効率が高い領域で予算を投下しても、獲得できる規模として限りがあるため、残りの予算で可能な限り効率を高める予算の使い方を考えます。
獲得における効率が低い領域の中で、表示回数などの規模が小さい領域に予算を投下するか、規模の大きい領域に予算を投下するかという選択になります。
ここでは、獲得効率が低い領域の中から、獲得に至るカテゴリを見つけていく作業となっていくため、規模が大きい領域に残りの予算を投下します。
理由としては、至ってシンプルで、効率的なカテゴリを探す過程では、規模が大きい領域の方が材料を見つけられる確率が高いからです。
この際に重要なことは、詳細な分析とランディングページの見直し、広告文の見直しなどの仮説検証がしっかり行われることが前提となります。
このように通常、継続的に実施されるリスティング広告では、予算投下における考え方も非常に重要です。ただ、闇雲に予算を投下するのではなくPDCAサイクルを意識した予算分配が中長期的な成功に繋がります。
ぜひ、意識して試していただけたらと思います。
記事協力:株式会社コンバージョンアド